4.目を見ることも許されない ページ4
side_風間
あいつが中学2年に上がってからは全くと言っていいほど会っていなかった。
いや、兄さんが死んでからは、徐々にあいつと言葉を交わすことがなくなっていた。
俺自信、大学入試を控えててボーダーの仕事も忙しく、あいつと接する機会がドンドンと無くなっていった。
会議に呼ばれてよかったなどと思ったのは初めてかもしれない。
颯爽と会議室を出ようとするあいつを呼び止めた。
風間「名前」
ゆっくりと振り返った目の前の少女は、数年前の面影を充分に残しながらも、子供から大人へ近づいていた。
『お久しぶりです、風間さん』
いつからだろう、名前が俺を名前で呼ばなくなったのは。
風間さん、そう呼ばれる度に少しのイラつきとなんとも言えない焦燥感に包まれる。
風間「久しいな。きちんと学校へは行っているのか?」
兄のことがあってから、少し塞ぎ込んでいた名前を知っているからこそ出た言葉だ。
このボーダーにいるほとんどの人が、この人当たりも良い常に笑顔の少女に、学校に全く行かない時期があったことを知らない。
『やだな〜ちゃんと行ってますよ〜』
なんて笑っているが、一向に目を合わせようとしない名前に、内心困ってしまう。
風間「母が、また夕食でも食べにウチへ連れてこいと言っていた。」
『おばさんの料理、食べたいなぁ〜。いつか、ボーダーのお仕事が落ち着いたらお伺いしますね』
本人はわかっていないのだろう、笑顔が引きつって、今にもうつむこうとしてることに、
彼女の名前を呼ぼうとした時、彼女は満面の笑顔を貼り付けて、では、失礼します。と会議室を後にした。
名前、お前はいつまで、兄さんの死に囚われてるんだ。
いつまで、兄さんの死に負い目を感じてるんだ。
ちっ
思わず、小さく舌打ちが漏れた。
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rina214skt2(プロフ) - アイカさん» そうなんですか?!ダウンロードしてみます!ありがとうございます\(^o^)/ (2015年8月8日 13時) (レス) id: e1a54c24f8 (このIDを非表示/違反報告)
アイカ(プロフ) - rina214skt2さん» そうですね。いちいち上に行ってマイページ押さなくてもマイページ行けますから扱いやすいです (2015年8月8日 10時) (レス) id: 0cd967d7be (このIDを非表示/違反報告)
rina214skt2(プロフ) - アイカさん» なるほど、、!アプリの方が読みやすいですか?? (2015年8月8日 10時) (レス) id: e1a54c24f8 (このIDを非表示/違反報告)
アイカ(プロフ) - rina214skt2さん» ですよね!(そうですよアプリありますよ。読み専&コメ専として使ってますね。 (2015年8月8日 4時) (レス) id: 0cd967d7be (このIDを非表示/違反報告)
rina214skt2(プロフ) - アイカさん» 毎日愛でて暮らせますよね、、。笑やはり同一人物さんなのですね!だと思いました!アプリあるのですか?ダウンロードしようかな、 (2015年8月8日 4時) (レス) id: e1a54c24f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あめ | 作成日時:2015年8月4日 0時