私と君とあの人。【三輪秀次】-完-

28.許されない逃げ道 ページ28

母さん。母さんは死んだんだよね？


《そうね、死んでしまったのかも。
でも、ちゃんと名前の側にいれるようにしたのよ》


側に？母さんを感じたことはなかった、、


《ねぇ、名前、第一次侵攻の時のことを、思い出してみて》


いやだ
あの時のことは思い出したくない



《思い出すの。貴方の大好きだった人のことを》



いやよ、
おにぃは最後、私に、、、、。


《思い出して。おにぃに何て言われた、、？》



いやっ、、！いや！！


《名前が踏み出せば、私は貴方を変えてあげられるわ？なんて言ったって、貴方の母じゃない！》



母さん。
名前はサイドエフェクトを発動する。





『おにぃ！おにぃ！起きてよ、、ごめんなさい、、』


涙でグチャグチャになった、まだ幼い少女が高校生の男の子を揺さぶる。


『ごめん、なさい。近界民は私を狙って、、、っ！ヒクッ、ボーダーに所属してるから、近界民なんかやっっつけれるって勝手に思って、、！おにぃ、やだよ、死なないでっ、、！』


「ゲホッ、、！許さない、、名前、。に、、げ、、ゲホッ、許さ、、ない」


許さない。逃げたら許さない。
おにぃは確かにそう言った。

すぐそこに、近界民が来ている。
もちろん、狙いはトリオン量が周りより少しだけ多い名前だ。


『ひっ、、！ごめん、なさい！ごめんなさいっ、、、！』


少女は走り出した。



いやっ！！！みたくない！！こんなもの見たくない！！



《名前、サイドエフェクトを使って？》


いやよ！もういや！！


《違うわ、私の記憶を、見て欲しいの》


母さんの、、、？


名前は再びサイドエフェクトを使用した。

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