私と君とあの人。【三輪秀次】-完-

22.春の日差し ページ22

『なんだ、みんな同じクラスじゃない』


暖かな春の日差し。高校生となった名前と三輪は、クラス分けの表を見ていた。


米屋「いや、なんかそんな予感はあったよな〜〜」

出水「確かに、任務とか予定立てやすいし」


『弾バカと槍バカとこれから1年間、、いや、もしかしたら3年もクラス一緒かもって考えたら頭痛してきた』

三輪「それは同感だな。」



ギャーギャー騒ぐ四人は新入生ばかりの初対面が多い教室で目立っていた。
なにより、名前はたまにボーダーの広報もしているため、巷では有名人だった。



『あ、そうだ。私、明後日から風間隊と合同で遠征だから、授業のノートとっててね』


風間隊。
その言葉に三輪は反応を示すが、何を言うでもなく、短く返事をした。



米屋「てかなんで太刀川隊は遠征じゃねーの？冬島隊は行くんだろ？」

出水「や、それがさぁ、太刀川さん、大学の課題終わってないらしくて。。流石に入学早々、課題を持っていかないなんて、ボーダーの名に傷が付くとかどうとか、特に根付さんがカンカンで。
行かせてもらえないんだよ」


その言葉にみな呆れ顔だった。


米屋「出水だけでも行く。とかにはならねーのか？」


『なんか、隊の連携が取れないなら個人では行かせないみたいなこと言ってたよね？』


出水がだぁーーーいきてぇーーーと机に突っ伏してうなだれた。





『秀次？』


さっきから黙ってなにかを考え込んでいる彼氏に言葉をかける名前。


最近ようやく完璧にサイドエフェクトを使いこなせるようになった名前は、周りの誰かの考えがながれこんでくることはほぼなくなっていた。


例外に、相手が名前に対して強く伝われと思った際には名前の意思とは関係なくながれこんでくる。




三輪「必ず、無事で帰ってこい」

三輪は名前の手をスッと取る。



流れ込んでくるのは心配する気持ち。
三輪からはよくサイドエフェクトによって色々な感情が伝わってくる。

制御できているはずなのに、伝わってくるということは、それだけ三輪が本気で名前を想ってくれているということであるため、煩わしいどころか名前は嬉しかった。



『必ず、無事で戻ってくるよ！』



本気でそう思って口にした言葉。
この時はなにも考えていなかった。

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