私と君とあの人。【三輪秀次】-完-

15.慣れない幸せを感じた ページ15

side_三輪


名前の腕が背中に回ってくる。
俺の服をギュっとつかむ。その仕草すら可愛いと思ってしまう。


部屋にかけられた時計を見ると21時を回っていた。


三輪「名前、夕飯はどうするんだ？」

『私が作るよ！』

俺を見上げる名前が可愛くて、もう一度キスを落とす。唇を離すと、今度は名前からキスが返ってきた。


『下おりよっか、秀次は先にお風呂入って！』

着替えだけ取り出すのが面倒で、荷物ごと下に持って降りることにした俺は、名前に続いて1階へと降りる。


『そこの扉開けたら脱衣所だから、ゆっくり入ってね、その間に簡単なもの作るから！』


なんだか、新婚みたいだなと柄にもなく思ってしまった。
イメージが伝わったのか、名前はふふっと微笑んで奥のリビングへと入っていった。


扉をあけて、脱衣所に入る。
すぐ前の鏡を見て少し驚いた。
普段ではあり得ない、穏やかな表情の自分に。



そうか、俺は今、幸せなのか。

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