【番外編1】こだわり ページ41
夏の暑い日。東京都の某所では、下らない言い争いが続いていた。
否、言い争いと言うには少しばかり一方的でもある____。
真夏さんは相変わらず甘いものを片手に口を尖らせていた。
拗ねるととても面倒だ。…本当に。マジで。
事の発端は惠さんの甘いものばっか食べてると太るよ、とのまるで女子に向けたような言葉。
そしてそれに反応したまるで女子みたいな真夏さん。
ちなみに女性の透さんはお仕事がないからか真昼間から缶ビールを飲んでテレビを見ているし、女子の私はゲームをしながらポテチをつまんでいる。
……正直、真夏さんが一番女子力が高いと思う。
だがしかし、見事に怒った真夏さんは甘いものを食べることを止めるでもなく意地を張ったままなのである。
「……夏さん、趣向を変えればいいんじゃないですか」
「ん?…蜜ちゃんから意見なんて珍しいね」
食べ終えたケーキのお皿をテーブルに置き、ゆづの方を見た。
こればかりはどの面子も彼に注目する。
「甘いものは言葉通り糖分の摂取量が極めて高いんでしょう。それがダメだと惠さんは言ってるなら、敢えて甘くないものを食べるんですよ」
いや、それって完全に惠さんが言った通りにしてるだけなんじゃ…
「それだ!!」
それなんだ…。
「…けど、まず間食に何を食べるかが問題だよなぁ。甘いものがダメなら…」
『甘いものやめれるならもう何も食べなくて良くないですか…?』
「それだと腹が空くだろー。」
『なら夕飯残すのやめてください…。』
ゆづは先程からかなり生き生きしているが、少しだけ察しがついた自分がいる。
ゆづは透さんの方へ行き、彼女に手にある“ある物”を受け取った。
「…それ、何?」
「何って……“甘くない物”、ですよ?」
さわやかな笑顔とともに、口にそれが突っ込まれた。
見事に真っ赤なそれは、私からの距離でも漂うくらいには鼻を刺激する香り。
「んぉ…、こ、これは……!」
青い顔をしてトイレに走った真夏さん。
ゆづは袋から同じものを取り出して、今度は自分の口に放った。
もぐもぐと口を動かしてから飲み込む。その一連の動作ののち。
「これだから甘党は」
「ナイス結弦」
辛党と味覚音痴。
…やはり人には好みがあり、こだわりがあると…私と真夏さんが痛感した日であった。
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リナ@オリジナル小説垢(プロフ) - イゼッタさん» コメントありがとうございます!pixiv、やってるんですけど完全に見る専なので…w別垢を作ったらやってみようかなぁと思います!ご提案ありがとうございます! (2018年7月14日 18時) (レス) id: 3385c13a93 (このIDを非表示/違反報告)
イゼッタ(プロフ) - この作品、とても良いのでpixivであげてみては? (2018年7月9日 13時) (レス) id: 1f346eff48 (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - リナ@オリジナル小説垢さん» いえ!こちらこそ受け取って頂けて嬉しいです! 相棒を続ける内に結弦君のSがうつっていったらこんな感じかなぁなんて思いながら描きました(*´∇`*) 作品に貼っていただけるとは……感謝です! それでは(^-^)/ (2018年6月30日 16時) (レス) id: 4785678acf (このIDを非表示/違反報告)
リナ@オリジナル小説垢(プロフ) - 柳さん» わー!本当にありがとうございます!!カッコいい…!そう言っていただけるととても励みになります…!画像、作品内で貼らせていただきますね! (2018年6月30日 11時) (レス) id: 3385c13a93 (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - http://uranai.nosv.org/uploader/common/f/7/b/f7b5dc0fea6a4df1dd9bff02e3179e80.jpg これで見られますかね? 画像が、見られない場合は言って頂けると幸いです。 少しでもリナさんの応援になればと思います。 それではまた、読みに来ますね! (2018年6月29日 11時) (レス) id: 4785678acf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リナ@オリジナル小説垢 | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2018年3月30日 11時