晴れのち死亡 ページ5
カチッと、銃のロックが解除された。
あ、撃たれる。死ぬ。
一瞬でそれを悟った。
「あ、すみません。通してもらって良いですか」
思わず、尻餅をついた。
夏なのに、セーターを着た萌え袖男子高校生。
てっきり何かの撮影だとでも思ってるのだろうか。
だが…ここで助けてほしいなんて、ごく普通の男子高校生に言えるわけがない。
私は無意識に床に落ちて少し傷の入った携帯を握っていた。
「……お前 何者だ」
「何者って…何ですか。俺も撮影参加していいんですか」
「ふざけんじゃねェ!!」
その声に、ビクリと肩を揺らす。
ああ、どうしてこんな変な人生になっちゃったんだろう。ものの数分で。
「……はぁ、うざ」
「おいガキ!あんまりナメてっと…」
「アカリンゴが鉄槌下しちゃうぜ」
「…お前、まさか……っ!?」
ペロリと、咥えていたアイスの棒を舐めきった少年。
その棒をゴミ箱に投げ入れ、ニヤリと笑った。
バァン、と。
耳を劈く銃声の直後、腕を引かれ走り出す。
一瞬、男が撃ったのかと思ったが私の手を引いてるのは少年で、その少年の片手には銃があったことから彼が撃ったのだと分かった。
『待って…、やだ…っ!』
必死に抵抗した。
この人だって銃を持ってる。さっきの男たちと仲間でないことはわかるが、十分に、怖い。
「まさかアイツらとの決着の鍵にこんな雌豚がくるとは思わなかった。クソガキじゃん」
『やめてください、貴方…っ、』
「死にたいってこと?」
真っ直ぐに見つめられた。
青い瞳はやけに綺麗で、それに目を奪われる。
「別にいいんだけど。無理矢理 拉致って生かしても。けどもうお前、普通に生きれないぜ」
『普通、に…』
“普通”に飽き飽きしていた。
だからと言っても、こんなの望んでない。
精々、逆ハー展開くらいじゃないと受け入れられない。
「人殺してでも生きたいって、思うなら俺の手握れ」
追っ手が来ている、多分。
時間は無い。迷ってる暇はない。
…人を殺すとか、分かんないけど。でも。
『生き…、たい、っ』
彼の手をぎゅっと握った。
「優柔不断すぎ」
彼は私の手を握って、引っ張って走った。
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リナ@オリジナル小説垢(プロフ) - イゼッタさん» コメントありがとうございます!pixiv、やってるんですけど完全に見る専なので…w別垢を作ったらやってみようかなぁと思います!ご提案ありがとうございます! (2018年7月14日 18時) (レス) id: 3385c13a93 (このIDを非表示/違反報告)
イゼッタ(プロフ) - この作品、とても良いのでpixivであげてみては? (2018年7月9日 13時) (レス) id: 1f346eff48 (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - リナ@オリジナル小説垢さん» いえ!こちらこそ受け取って頂けて嬉しいです! 相棒を続ける内に結弦君のSがうつっていったらこんな感じかなぁなんて思いながら描きました(*´∇`*) 作品に貼っていただけるとは……感謝です! それでは(^-^)/ (2018年6月30日 16時) (レス) id: 4785678acf (このIDを非表示/違反報告)
リナ@オリジナル小説垢(プロフ) - 柳さん» わー!本当にありがとうございます!!カッコいい…!そう言っていただけるととても励みになります…!画像、作品内で貼らせていただきますね! (2018年6月30日 11時) (レス) id: 3385c13a93 (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - http://uranai.nosv.org/uploader/common/f/7/b/f7b5dc0fea6a4df1dd9bff02e3179e80.jpg これで見られますかね? 画像が、見られない場合は言って頂けると幸いです。 少しでもリナさんの応援になればと思います。 それではまた、読みに来ますね! (2018年6月29日 11時) (レス) id: 4785678acf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リナ@オリジナル小説垢 | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2018年3月30日 11時