底なしの闇 ページ38
口の中に、苦いコーヒーの味が残っていた。
それの中には自分の舌を狂わす調味料の味も微かに残っている。
右手の薬指には、未だに残っている深い傷。
自分の爪が、深く食い込んだあの感覚が蘇る。
誰もが傷を背負っている。
その大きさは人それぞれだが、ここにいる以上、皆同じ分だけの覚悟をしている。
自分だって、警察時代から死ぬ覚悟は決まっていた。
「…保護から20時間が経過、目覚めてからも発言を一切していない。敵組織からの救出の動きは無し、プロファイラーの見解からしても救出の見込み無し」
星野絵空は完璧な捨て駒だった。
結弦が彼女を確保することが偶然だったとしても。
「とすれば…」
その他の人員も捨て駒の可能性が高い。
主犯格の葉鳥薺を始め、そのほか数人が中枢と考えられ、その中枢部の人間の確保ができなければ情報の奪取も不可能。
「次の計画は紅蜂に回したほうがよさそうか。」
結弦たちが奪ったメモリの情報は、最小だが十分な重要度だった。
葉鳥薺の経歴。
自分の目を疑った。
花菱学園卒業生。
そして___
以上の情報は正染関連管理局局長及び局長判断の者のみの機密事項とする。
「メグ、何見てんの?」
「……知って、たのか」
「知ってたっつーか…本人から教えてもらったからね?」
にこりと笑うこの男の笑みは奥の見えない闇のようだ。
それでも知っている。
どれだけ底の知れない暗闇としても、この男は____
「夏!お皿をなんとかしなさい!」
「え?あー、ごめーん。」
…あの女の味方であることだけは、譲らない。
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リナ@オリジナル小説垢(プロフ) - イゼッタさん» コメントありがとうございます!pixiv、やってるんですけど完全に見る専なので…w別垢を作ったらやってみようかなぁと思います!ご提案ありがとうございます! (2018年7月14日 18時) (レス) id: 3385c13a93 (このIDを非表示/違反報告)
イゼッタ(プロフ) - この作品、とても良いのでpixivであげてみては? (2018年7月9日 13時) (レス) id: 1f346eff48 (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - リナ@オリジナル小説垢さん» いえ!こちらこそ受け取って頂けて嬉しいです! 相棒を続ける内に結弦君のSがうつっていったらこんな感じかなぁなんて思いながら描きました(*´∇`*) 作品に貼っていただけるとは……感謝です! それでは(^-^)/ (2018年6月30日 16時) (レス) id: 4785678acf (このIDを非表示/違反報告)
リナ@オリジナル小説垢(プロフ) - 柳さん» わー!本当にありがとうございます!!カッコいい…!そう言っていただけるととても励みになります…!画像、作品内で貼らせていただきますね! (2018年6月30日 11時) (レス) id: 3385c13a93 (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - http://uranai.nosv.org/uploader/common/f/7/b/f7b5dc0fea6a4df1dd9bff02e3179e80.jpg これで見られますかね? 画像が、見られない場合は言って頂けると幸いです。 少しでもリナさんの応援になればと思います。 それではまた、読みに来ますね! (2018年6月29日 11時) (レス) id: 4785678acf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リナ@オリジナル小説垢 | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2018年3月30日 11時