寝起きの機嫌 ページ19
7月19日(木)
『ふぁぁ……朝、か』
起き上がって見えた景色は、いつもとは全く違う。
結局、もともと住んでいたあの家は片付けをしてから売り、この事務所にお世話になることになった。
事務所には各部屋があり、暮らすということにならなくても一人一部屋はある。
見た目より広くて、最初は驚いた。
ちなみに一階のバーの【Melodious】は透さんが経営しているおしゃれなお店で、結構繁盛してるみたいだ。
「おっはよー!!」
『ひぃっ!?』
元気に部屋に乗り込んできたのは真夏さん。
朝ごはんの菓子パンのかけらが頬に付いていた。
『あの…着替えてる最中だと困るので、一言くらいお願いしたいんですが』
「透なんて下着で歩き回ってるけど?」
『えっ、あの透さんが?』
意外というか…それって見間違いだったりしないだろうか。
どうにも信じられない。
『あ、朝ご飯。私明日から作りますよ』
「作れんの?意外だねぇ」
『意外なんですか?ちょっと傷つきますけど』
クローゼットから制服を取り出し、ベッドに置く。
その間にも出て行く様子はなくて何だか複雑だ。
「まぁいいや。じゃあ明日から俺とAちゃんとの二人分よろしく。あー、メグのは作んなくていいからね。」
やっと部屋から去った真夏さん。
扉を閉じて、鍵をかけてから制服に袖を通した。
昨日まで着ていた青いリボンの制服とは違い、赤いネクタイの制服だった。
『なんか新鮮……お金持ち高校って感じ』
「あ、そうだ」
『きゃっ!?』
スカートをしめようとしたところ、鍵をかけたはずが簡単に開いてしまう。
「メグを起こす係は交代でいいよね。」
『良いですけどどうやって開けたんです!?』
「いやぁ、こういうのはさっと開けちゃわないと殺し屋とは名乗れないよね!」
『鍵を閉めてる、イコール開けちゃダメです!!』
支度を済ませ、今度は彼と一緒に部屋を出る。
透さんも密葉くんも家からこちらに来るのだが、二人ともまだみたいだった。
「どうする?今日はAちゃんが起こす?」
『惠さんですか?構いませんけど』
「そんじゃ宜しく。」
手を振ってからソファーに腰かけた真夏さん。
私は惠さんの部屋の扉をノックする。
「……」
『あの、惠さーん…?』
返事が無いため、ゆっくり扉を開けた。
ベッドの上に包まった塊が、一つ。
ゆっくり布団を剥がそうとして、手を掴まれる。
「…何やってんだテメェ」
『……』
目付きの悪いこの不良は、惠さんですか?
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リナ@オリジナル小説垢(プロフ) - イゼッタさん» コメントありがとうございます!pixiv、やってるんですけど完全に見る専なので…w別垢を作ったらやってみようかなぁと思います!ご提案ありがとうございます! (2018年7月14日 18時) (レス) id: 3385c13a93 (このIDを非表示/違反報告)
イゼッタ(プロフ) - この作品、とても良いのでpixivであげてみては? (2018年7月9日 13時) (レス) id: 1f346eff48 (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - リナ@オリジナル小説垢さん» いえ!こちらこそ受け取って頂けて嬉しいです! 相棒を続ける内に結弦君のSがうつっていったらこんな感じかなぁなんて思いながら描きました(*´∇`*) 作品に貼っていただけるとは……感謝です! それでは(^-^)/ (2018年6月30日 16時) (レス) id: 4785678acf (このIDを非表示/違反報告)
リナ@オリジナル小説垢(プロフ) - 柳さん» わー!本当にありがとうございます!!カッコいい…!そう言っていただけるととても励みになります…!画像、作品内で貼らせていただきますね! (2018年6月30日 11時) (レス) id: 3385c13a93 (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - http://uranai.nosv.org/uploader/common/f/7/b/f7b5dc0fea6a4df1dd9bff02e3179e80.jpg これで見られますかね? 画像が、見られない場合は言って頂けると幸いです。 少しでもリナさんの応援になればと思います。 それではまた、読みに来ますね! (2018年6月29日 11時) (レス) id: 4785678acf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リナ@オリジナル小説垢 | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2018年3月30日 11時