〈オリジナル〉殺し屋系グループでドSな相棒が出来たのですが。

ドSの推理 ページ11

「へぇ。じゃあ仕方ないね」


そう言って飽きたようにチョコケーキを頬張る真夏さん。
あれ、仕方ないのだろうか。


「……双葉」

『は、はい』

蜜葉くんがメモを取り出して私の名前を呼んだ。

「お前の言ってる友達、犯人だ。名前教えろ」

『犯人、…って、何のですか？』


答えない。
何か問題でもあるのかと思ったが、そういうわけでもなさそうだった。
何となく、教えた方がいい気がして名前を言った。

『満江真里奈…高2です』

「物分りが良くて助かる」

メモに、恐らくだが名前を書いた彼は、パタンと閉じて制服のポケットに突っ込んだ。
それから惠さんに何か言って、再び私の前に立った。


『……あの』

「携帯から聞こえた声、性別はわかったか？」

『性別？』

あの時のことを思い出す。
かなり焦っていて、動揺していて声の様子をわざわざ確かめてはいなかったが…覚えてはいる。


『真里奈は、声が高いんです。加工はされてましたけど、真里奈の声ではありませんでした』

「じゃあ低かった？」

『……低い、かは分かりませんけど、たぶん男性だと思います』

「性別不詳…か」


わざわざ断定して言ったのだが、たぶんは意味がないらしい。
透さんや他の皆さんは自分の作業に移っていた。
慌ただしいのは、気のせいではないと思う。


「その満江って奴は、今朝どこにいた？」

『今朝、は………』


携帯で電話が来て、
委員会の仕事があるから、少し早く行くと言ってた。


『待ち合わせには行けないって、先に学校に行くって……言ってた、』

「そう。で、犯人はなんて言ったんだっけ。」


ペンをくるりと回し、ニヤリと笑う蜜葉くん。
言わせようとしてる。


『従わなければ、私の友人を……真里奈を殺すって』

「よく出来ました。…で、その犯人って誰だと思う？」


まだ言わせるつもりか。
彼はかなり性格が悪い。普段の無気力そうな態度とは真逆だ。


『そんな、訳ない。だって真里奈は……っ！』

「Aちゃん。その子を貴方が守らなければいけないって、どういうこと？」


最後に、透さんがそう訊いた。

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