猫マネとコムドット

行ってらっしゃい ページ15

ゆうた「じゃあ行ってくる」



「行ってらっしゃい」



ゆうた「まじで一人でも大丈夫？」



「うん平気」



ゆうた「家出すんなよ」



「しないよ、ゆうた帰るの待ってる」



ゆうた「それ最高に可愛い」



私の頭をわしゃわしゃ撫でて、ゆうたは家を出た。



パタン、と閉まるドアの音
　


静かな部屋で一人、パソコンを開いた。





*


*





「…だめだぁ」



どうも編集に力が入らず、静かな空間が嫌でテレビをつける。


まだゆうたが家を出てから二時間も経っていない。

それなのにこんなにしんどいの？



普段私、どれだけゆうたに甘えてたんだろう。




ぎゅ、とスマホを握りしめ、
待ち受け画面のコムドットを眺めた。



ゆうただけじゃないなぁ、

やまとも、ひゅうがも。

ゆうまも、あむぎりも。



皆にいつも甘えてきた。



私は？
皆に何かしてあげれてるのかな？




「……」




なんだか一人になってしまったような気がして、
じわっと目頭が熱くなる。




今日だけ、今日だけ我慢。



明日の朝にはゆうたが帰ってくる。

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