花になりたい彼女 (ページ6)

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4輪ページ6

パキパキと何かが割れる音がする

…音？

その瞬間、目が眩むほど眩しい青と白を見た
久しぶり、空

「起きたかい？」

『…誰？』

長髪で貫禄のある男の人が背後から話しかけてきた
なんか怖いな全然気配とかしなかった

「あぁ、自己紹介をしなくちゃね」

彼の名前は獅子王司と言うらしい
なんでも霊長類最強の高校生でテレビにも出まくってるすごい人、なんだって

「君は千空の彼女、パートナーで合ってるかな」

『！なんで千空を知ってるの？』

「…うん、落ち着いて聞いて欲しいんだけど」

そこから全てを聞いた

石化してから3700年経っていること
獅子王さんは千空が作った石化復活液で目覚めたこと
千空と考えが合わなかったこと
新しい世界を間引くために千空を殺めたこと

『…』

「千空は最後まで科学を捨てなかった」

『そっか、』

「…君はとても冷静だね、助かるよ」

違う

冷静を装ってるだけだよ

頭の中が困惑してよくわからない

鈍器で殴られたような感覚ってこういうことを言うんだ

千空が死んだことを受け入れられない

今はただそれだけだった

『1人にして貰えたら嬉しいです』

「…分かった」

静かにその場で縮こまった

今は何も、考えたくはない

いつの間にか着せられていた服の裾をギュッと握ってさらに小さくなった

あぁ、散ってしまいたい

「…ゲン、司んとこにAっつー女いるか」

「A？ん～、聞いたことないけど…」

「なになに千空～！女の子のこと気にしちゃって！もしかして彼女とか～！？」

「銀狼、顔がゲスいぞ。千空に限ってそんなことあるわけ…」

「あぁ、そうだ」

「え」

「「「えぇえぇぇええ！？！？」」」

「せ、千空ちゃん彼女とかいたんだ…」

「あぁ」

「んー…じゃまぁ、ついでに調べてきてあげるよ」

「頼むぞ」