花になりたい彼女 (ページ48)

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41輪ページ48

『どうするの？千空。竹の熱線で作った真空管全部失敗しちゃったけど』

「あ"ぁ、竹の熱線じゃ真空管には根本的にもたねぇんだ」

悔しそうに歯を食いしばる千空を見てクロム達は何とかもっと強い素材を探そうと必死になってた

けどこの時代にはそんなもの無いらしい

『クロム、今まで集めてきた鉱石ってどこにある？』

「？」

『今出来ることしようよ』

それだけでクロムは私の意図が分かったらしく「おう！」と元気よく返事して倉庫へ走っていった

「…探したところでねぇぞ、この時代には」

『かもね。でも何もしないのはやだ』

お願い、手伝わせて

そう言って3700年前よりも傷が増えた千空の手を握った

「…ククク、適わねぇな」

『…んふふ』

そう、その顔が好き

どこか大人びた千空の微笑みは私に安心感を与えてくれる

暫く手をにぎにぎしているとクロムが鉱石の入った籠を抱えてやってきた

「色んな洞窟で手当り次第ゲットしてきた鉱石だ！なんとかこん中からよ、熱線に使える強ぇー素材探してやるぜ！！」

『とりあえず探してみよっか』

そうして始まった鉱石探し

石神村の皆で協力して鉱石を漁った

「やーこれ宝石みたいー！」

「それはキンカメムシの死骸だ」

「この石は？なんかすごい黒くってこんなに軽いよ！」

「タヌキの糞だ」

駄目だ、全然ない…

その後も探してみるけど全然良さそうなものが見つからない

そして見つからないまま寝る時間になってしまった

もうすぐ朝日が昇る頃、

隣で寝ている千空を起こさないようにそーっと倉庫から外へ出た

するとそこにはまだ鉱石を漁っているスイカの姿が

『スイカ』

「！？A、び、ビックリしたんだよ…」

『ごめんごめん、何か良さそうなのあった？』

「これ…見た目は普通の石なんだけど、普通の石より重たいんだよ」

『ほんとだ』

スイカから渡されたその石は確かに他のものより重たかった

『持っとく？』

「うん！持っとくんだよ！」

役に立ちたいというスイカの気持ちがとても微笑ましい

ニッコリと笑った顔が可愛くて思わずぎゅっと抱きしめた