花になりたい彼女 (ページ20)

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18輪ページ20

ヤバい、死んだ

と思ったらいきなり音を立てて槍の先が千切れた

『え？』

私の首元でハラハラと散っていった槍先
そんないきなり砕ける…？

私をチラリと見てからまじまじと槍先を見つめる氷月

「石器では作り得ない鋭利な切込みが外からは見えずらく、力が加わると千切れるように…まるで手品ですね」

「ジーマーで！？誰がそんな事を…！？」

あ、ゲンさんか

ゲンさんは結構凄いマジシャンだとスイカから聞いた

なんでも花を手から消したとか…凄い

「ゲン君いいですね君は…！凄くちゃんとしている。裏切り者の薄汚い蝙蝠として」

「何言っちゃってんの氷月ちゃん！？なんで俺がそんなこと…」

隠す気…ないんだろうなぁ…

わざとらしくスンスン言っているゲンさんと静かにそのゲンさんを見つめる氷月

「なんだバレてんのかもう…さっすが氷月ちゃん」

語尾にオンプマークでも付きそうな喋り方

ゲンさん楽しそう

すると一気に花の香りが広がった

…あ、知ってるこの香り

「犬鬼灯はお気に入りの花でさ～。花言葉がね

『嘘つき』」

自分にしか聞こえないくらいの声量で音にした

兄さんが私によくこれ渡してくれたな

この香りは嫌いだけど好きだ

「ククク…いい太刀打ちじゃねぇかメンタリスト。唆るだろ？切れ味。これが、科学の刃だ…！」

いつの間にか千空に背後へとまわされる

見慣れた背中がなんだか頼もしく見えた気がした

おまけ

『え、ゲンさんをさん付けする理由？命の恩人だからだよ？今回で合わせて2度も命救われちゃったし』

「氷月はてめぇのこと殺す気は100億%無かっただろうけどな」