76【黒】 ページ32
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Aやって冷静に考えれば、まだ泣いてるくらいの時間やろ。
「部屋探すん、ほんまだるいわ。もうあの辺住めへんし」
「元の部屋とかは？」
「あそこ、なかなか開かへんねんな。
あと、もう翠ちゃんも彼氏と別れたし」
「……ん、じゃ、いっそここ住む？」
期待させる暇もなくAは突っ込んだ。
「住むわけ無いやん。マネさんたちに、なんて説明するん。
『引っ越ししたわ、え？よこやまさんのとこやで』
っておかしいもん」
「せやなあ…」
「せやろ」
「な、」
「ん？」
「こんなこと言うのあれやけど」
「さっきから、あれなことしか言うてへんで」
「もう、なんか立ち直ってない？」
「安心してもうてん。なんや知らんけど。
りかさんのことが大好きで愛してもらうの期待してたの、ずっと。
なんやろ、ストレスやったんやと思う。
でももう今は、振られて捨てられたから、もう期待せんでええわってなってんねん。
よこやまさん、迎いに来てくれへんかったら
きっと、こうはなってない」
Aは、ようやく立ち上がり、テーブルの向かいに座り直したAは、なんだか晴れがましいような顔をしていた。
メンバーの前での、子どもっぽい顔。
一人の仕事の時の、しっかりした顔。
夜の、煌々とした眼。
そして、あの人の前での「女の子」の顔。
今は、このどれとも違った。
これが本当の、本質のような気がした。
飾らない、本物やった。
「よこやまさん、せっかくやし、寝とく？」
「今？」
呆れた声が出てしまう。
こういうところが、Aを変に掴み辛くしている。
危なっかしい極端なところへ、自分を逃げこませようとし始める。
「さっきまで、修羅場してたんとちゃうん。
…てかそういうんは、口に出さへんやろ普通」
「いや、よこやまさんがやれ結婚だの同居だの言うから、なんや、したいんかな思うて。
あんな、口に出さへんと分かることも分からんくなるで？
これは、ここ何年かの私の収穫」
「ちゃうわ、そういう気持ちとちゃうくて、真剣に、やんか」
「なんなん、勘違いしたわ。恥ずかし。」
「……まあ、自分したいなら、ええけど」
「ずっる。それはずるいわ。
そんな、受動的に抱けると思わんでよ。
私は、よこやまさんの気持ちを汲んだんやで？
私だけしたいみたいに言うのは、違うわあ。」
「ごめんて」
「もう許さへん。したなくなったわ。」
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ゆうみ(プロフ) - まーさんさん» 本当にありがとうございます！私もすごくお気に入りで自分でもたまに読み返します笑。最近あまり更新できなかったのでこれから少し頑張るつもりです。ぜひ読んでもらえればと思います。 (2019年10月25日 23時) (
レス) id: b00a6f057e (このIDを非表示/違反報告)
まーさん(プロフ) - はしめまして。この小説の全てが好みすぎて初めてコメントしました……！月並みな言葉しか書けませんがとにかく好きです！ってことを伝えたくて、、！ゆうみさんの小説全て好みなのでこれからも無理のない程度での更新楽しみにしてます！！ (2019年10月20日 19時) (レス) id: 880f5c4f88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうみ | 作成日時：2019年8月18日 9時
