63【青・緑】 ページ19
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まあ、Aちゃんからすれば、僕が執着する理由も分からへんと思うけど。
君を大人にしたのは僕やから。
その責任取りたいねん。
いや、その為に、責任取るために大人にしてん。
それに「初めて」を手に入れられへんかったから、せめて僕は、「最後」を貰いたかった。
独占欲まみれの征服欲求なのは、最初から分かってる。
でもそれは、Aやって勘付いてたことやったはずやのに。
悔しい。僕を捨てるなんて最低。
でもどうしてやろ、君を嫌いになれへん。
さよなら出来ない僕たちの、何本も繋がった糸の、たった一本。
切れたその一本が、行く宛もなく、漂って彷徨っていた。
………
空白の四ヶ月について。
おーくらさんのはなし
別れたくなかった。
俺は自分を「Aちゃんの特別」やと信じ切っていた。
だから、そうやないて教えられた俺は、地図をなくしたみたいに茫然となった。
どうしても、さよならを言いたなくて、まだ好きでもええか聞くとAはなんとか繋ぎ止めようとした、俺の手を払い
「そんなこと、考えたらあかんよ。
おおくらさんはほんまに特別な人やから。
その時間分、他の人を愛してあげて。」
と泣き笑った。
涙の分だけでも、俺のことちょっとは好きで居ってくれてたんかな、なんて思ったりした。
ここから暫くはAちゃんと上手く喋られへんくて、信ちゃんに、変に慰められたりした。
信ちゃんは他のメンバーと同じように、俺がAちゃんが藤峰さんと付き合うてることが嫌なんやと思うていた。
それも勿論ある。
でも、付き合うてたことは俺らと翠ちゃんしか知らない。
あの楽しかった時間まで、なかったことになりそうで、誰も知らないこと自体が、寂しかった。
Aちゃんと別れて、ちょうどその後くらいに、翠ちゃんが俺のマンションから引っ越した。
翠ちゃんは「彼氏と別れたの」と寂しそうに報告してきた。
本当に彼氏と別れたのか、そこから疑ってしまうくらい俺はだめになっていた。
段々、時間が経って、Aちゃんと表面上は普通に話し出せるようになると、Aちゃんが、僕の顔色を見て安心したような表情を見せるようになった。
「吹っ切れてくれたみたい、よかった」
そんな裏が透けて見えた。
…吹っ切れてるわけ無いやん。
Aちゃんは藤峰さんと付き合うて、仕事も上手く行くようになって、色んな人に褒められて、全部が上向きなんかもしれへん。
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ゆうみ(プロフ) - まーさんさん» 本当にありがとうございます！私もすごくお気に入りで自分でもたまに読み返します笑。最近あまり更新できなかったのでこれから少し頑張るつもりです。ぜひ読んでもらえればと思います。 (2019年10月25日 23時) (
レス) id: b00a6f057e (このIDを非表示/違反報告)
まーさん(プロフ) - はしめまして。この小説の全てが好みすぎて初めてコメントしました……！月並みな言葉しか書けませんがとにかく好きです！ってことを伝えたくて、、！ゆうみさんの小説全て好みなのでこれからも無理のない程度での更新楽しみにしてます！！ (2019年10月20日 19時) (レス) id: 880f5c4f88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうみ | 作成日時：2019年8月18日 9時
