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「待って。」
「ん？」
「あとの人たちどーしたん？」
気づいた！！！！やられた！！
「オレンジと青と緑、残っとるがな」
汗が、まだ春にもなっていないのに背中を伝う。
「何か、あったん？」
「……あったと言えばあったけど、なかったと言えば無い」
「なに？言うてみ、はよ！」
私は、……観念した。
「…えーと、丸ちゃんは、何もないねん」
「は？ ならええやん」
「でも、何て言うんやろ。
喋ってる時とかにな優しい眼ぇしてんねん。
それがなんとなーく、私にだけしてくれてるんちゃうかなって、そう、思う時があんねん……」
「なんや、家族言うとったのに、ちゃんと意識しとるやないかい。」
ミラクルミナはため息ながらに、首をわざとらしく振った。
「そーゆーの、恋って言うんやで。
世界中全部、それから始まってんねん。」
「…いや、なんかな、今度の秋の舞台、丸ちゃんとカップルの役やねん。
何か恥ずかしいし、ドラマと違ってお稽古から、その、何回も、キスの練習とかせんとあかんそうやの。
それが、ちょっと……あの、……」
「意識しとるやーん！！
もう改名したほうがええわ。宮野意識子に改名せえ！」
「せえへんわ！！」
「でも緊張するのは分かるで。
やってAちゃん、彼氏おったことないんやろ？
そりゃあキスごときで、ビクビクするやろなあとは思うもん」
「ごときって言わんでよ…大事やん…」
「あ〜ほんまに色々に夢見てんねやなあ」
「ええやん夢見たって」
「でもあの人はええ人そうやんな」
「当たり前や」
思わず速く返事してしまって、またミナをニヤリとさせてしまった。
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作者名：ゆうみ | 作成日時：2019年3月11日 16時
