【2】宮野さん(女)はえいとです【暴露編】 (ページ24)

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⑭不思議なハニー【緑】ページ24

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緑Side

ドームツアーが決まって、アルバムが出ることになって
(ついでに丸宮の舞台も)俺とAちゃんは番宣のために、裏原宿へロケに来ていた。

やけにドぎつめの色した甘い物をお腹に入れて、休憩が入った時、Aちゃんは、そのカフェの中の雑貨コーナーを見ていた。

「おーくらさん、どう？」

突然、10年近く左だけだったピアスを両耳揃えて開けてみて、なんだかうきうきしてんねんな。

奇抜な物の付いたそれを、耳に寄せてポーズを取ってて、こういうところから女の子を始めようとする辺りAちゃんぽいなと思う。

「ええけど、こっちの淡い色のもAちゃん色白いから似合うんちゃう？」

「あ〜、こっちももええな。
さすがおーくらセレクトやわ」

「ね、前髪揃えるんは？舞台だからあかん？」

「大丈夫やと思う。全部鬘やから。
かわええねんで。映画に近づけとるけど私に似合うように、床山さんがいっぱい微調整してくれてて。」

伸びて右に流された前髪を、持ち上げるように触る。

「伸びたな」と俺が言うと、Aちゃんは「おーくらさんも伸びたで」と俺の前髪を触り返した。

「俺も揃えた方がええ？笑」

「今くらいがちょうどええと思う……うん、そうやな……」

俺が手を下ろしても、Aちゃんはまだ熱心に俺の髪の長さを確認していた。

すごく嬉しい。近い。

近いことはええことや。

間違いない。

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