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血の匂いと汗の匂いと硝煙の匂い
そこに海の、潮の匂いが混ざる
「Aさん」
絹糸のような金髪が視界に入った
それから鈴のなるような綺麗な声も
ふんわりとラベンダーの匂いが鼻を掠めた
「なに？シアン」
戰斧を少しずらして振り向けば
数ヶ月前とは比べ物にならないほどに美しくなったシアンが佇んでいる
腰まである金髪を一つにまとめ、刺繍の凝った黒いワンピースを着ている
肌は白くケアされて、目は最初に会った時と同じ澄んだ碧だ
「言われたことやり終えました」
持っている大剣で倒れている海兵の山を指した
持ち手についた鎖がジャラリとなる
私はシアンに近ずいて頭を撫でてから、やんわりと大剣を下ろさせる
見聞色を使えばもうこの船には敵はいないようだ
「…シアン、武器で人を指すのはやめなさい」
「何故ですか？これらは弱い奴らです」
また武器で山を指す彼女に目線を合わせた
「そうね。けれど人であるから最低限の敬意は払わなければ。いいわね？」
「分かりました」
訝しげに目を細めた彼女は、頷いて武器を下ろした
彼女は表情こそないけれど目は雄弁だ
感情をそのまま写す目は見ていて面白い
「いい子ね」
ポンポンと頭を撫でてホルスターに戰斧をしまう
と、ぼぼぉと音がした
船頭を見ればエースが上がってきたところだった
「なんだ、終わっちまってたか」
ニヤリと笑う彼に笑いかえす
「見聞色使えばわかるじゃない
それでも心配だなんて過保護だわ」
「お前の心配はしてねぇよ
妹を見に来ただけだ」
「恋人より妹なのね」
「…妬いたか？」
「別に？」
軽口を叩きながら近づいてくるエース
シアンは私の袖を掴んで不思議そうに私たちを見ていた
それがたまらなく可愛い
エースもそうだったらしく腰を屈めてシアンを撫でた
「マルコが早く帰って来いってよ」
「へえ？シアンに関しては随分と過保護ね」
「当たり前だろ？
お前がスパルタなせいで一時期シアンの生傷が絶えなかったじゃねぇか」
こんなにかわいーのになー？
そう言いながらわしゃわしゃと猫を撫でるような手つきでエースはシアンを撫でる
それを逃げようともせず見上げるシアン
目が心なしか嬉しそうだ
「あれは生きるための手段よ
シアンはこんなに可愛いのだから人さらいの格好の餌だもの
手を出した奴は3倍…いいえ10倍の報復が出来るようにしなきゃね？シアン？」
「？はい」
「シアン、おめぇ分かってねぇだろ」
呆れるようにエースがいい笑った
相変わらず眩しい笑顔だった
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味噌 - どうなるんでしょうか!?気になりますね！！ (2019年9月15日 22時) (
レス) id: f946edc931 (このIDを非表示/違反報告)
味噌 - これからも頑張ってください〜 (2019年9月11日 6時) (レス) id: f946edc931 (このIDを非表示/違反報告)
味噌 - ｱｱｱｱｱ来るなとは、サッチの悲劇のことです。勘違いされていたらすみません････ (2019年9月8日 17時) (レス) id: f946edc931 (このIDを非表示/違反報告)
味噌 - はい！ぜひ！ ｱｱｱｱｱ来るな････ (2019年9月6日 22時) (レス) id: f946edc931 (このIDを非表示/違反報告)
アイリス(プロフ) - 味噌さん» 長らくお待たせいたしました！あ、作品作ったんですね！暇がある時に見に行かせていただきます (2019年9月5日 19時) (レス) id: 7e8dc5ebed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くるクラ | 作成日時：2019年8月4日 14時
