97話 ページ48
切れた口の足からの血とは別に
喉の奥深くから出てきた血をポタポタと床に垂らす。
だめだ。ここで終わらせるわけにはいかない…。
フラフラと力の入らない体を壁で支えながら
先生に向かって手を伸ばす。
郡司さんが先生の腕をしっかりとつかんだ瞬間、
見慣れた赤色の正義のヒーローが郡司さんを蹴り倒した。
『ガルム…フェニックス?』
ガルムフェニックス「Let`s think!」
そこからは、私の変わりにガルムフェニックスが先生を守ってくれた。
きっと田中さんだ。
郡司さんの攻撃を避け、殴り返す。
顔面にガルムフェニックスのパンチが入ったところで
よろけた郡司さんの胸を蹴飛ばした。木を失った郡司さんに手錠をかけ壁に寄りかからせたガルムフェニックスは、
私を見つけると抱えて先生の横に座らせる。
横に座らされた私の頭を撫でた先生は電話をかけ始めた。
本城≪柊一颯か?≫
柊≪新しい指揮官ですか≫
本城≪本城だ。お前に逃げ場はない≫
「それはどうでしょう」と言って、郡司さんのケータイで気を失っている郡司さんの写真を撮り、
宮城刑事に送った。
柊「信じてもらえたみたいですね」
本城≪お前、自分のやってることが分かってるのか!≫
『えぇ、覚悟の上ですよ……はぁ』
そこでSITの突入が中断され引き返していった。
「ご協力感謝します。明日また連絡します」
そう言って先生は電話を切った。
その後、先生は倒れた。地面を這いながら私も田中さんと共に先生に近寄る。
田中さんは刑事さんを準備室の下の教室に手錠で拘束していた。
私はというと下に降りてきた隼人や唯月に支えられながら準備室に戻り、
先生はさくらと香帆に運ばれていた。
準備室に着いた私は水で口の中をゆすぎ、
先生の薬を1粒もらって飲んだ。
監視カメラを確認したが、本当にSITは退散したようだった。
田中さんは、郡司さんを拘束し終えると
堀部さんと西崎君に言伝をして逃走ルートから帰っていったらしい。
"一颯は、今度焼肉奢れ。Aは……その時考える"と。
なぜ私の時だけ適当なのかはさておき。
私はさくらに時折、背中をさすられながら
先生を見つめていた。
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唯颯(プロフ) - ハナさん» 大丈夫です (2021年1月13日 4時) (レス) id: f647fc3f6b (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 質問大丈夫ですか? (2021年1月10日 21時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
唯颯(プロフ) - スライムさん» ありがとうございます!頑張ります! (2020年1月28日 23時) (レス) id: a45fde35bc (このIDを非表示/違反報告)
スライム(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください (2020年1月28日 23時) (レス) id: 028b55ef6b (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - 楽しみです!!!\(//∇//)\ (2020年1月28日 22時) (レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:唯颯 | 作成日時:2020年1月20日 23時