092話 ページ43
『私、もう自分には家族はいないんだと思ってた。
でも、みんなずっとそばにいてくれたんだね』
茅野「そうだね、今は先生もいるし!」
柊「そうだ、だから、堂々と生きろ」
『共犯だけどね!動画のことも知ってたし』
茅野「えぇ!?知ってたの?」
柊「茅野気を付けろよ。Aは演技が上手すぎるからな
……さて、そろそろ教室も盛り上がってきたころだ」
先生の覗き込むモニターを見ると話し合いが白熱していた。
この動画をマイボイに上げる上げないから
武智を救うといった話まで。
柊「白熱してるねぇ」
『なんか、私の重要な過去があっさり終わったけど、
まぁ、今はこっちを見ますか』
茅野「もし動画をアップされたらどうするんですか?」
柊「Aと逃げようかな。逃走ルートも確保してあるし」
茅野「それ本気で言ってます?」
柊「今朝夢を見たんだ。3月10日って文字が出てきて、俺は屋上に立ってるんだ。
そこで"俺の授業は完結する"そう言って屋上から飛び降りるんだ。
でも、俺の手を誰かが引っ張った。
逆光で見えなかったが、"生きて"と言って、その人は俺を助けた代わりに屋上から落ちた」
茅野「それ、正夢になりませんよね?」
柊「もうすぐ俺の授業が終わるのは本当だ」
そう言って私の手を掴む先生。
その手は少し震えていた。
自分が教えてきたことが、伝わっているのか。
信じていても怖いのだと思う。
茅野「こ、恋人つなぎっ!」
『さくら、シー。
先生、大丈夫ですよ。逃げる必要はありませんから』
さくらのオーバーリアクションにも慣れたところで
私は再びモニターに向き直った。
逢沢≪この動画おかしい!≫
堀部≪何が?≫
逢沢≪景山の鞄!≫
そう言って逢沢君は自分のビデオカメラを取りに行った。
よく気づきました。
逢沢≪ほら、景山が自 殺した日!持ってたのは学校の鞄だったんだよ!≫
甲斐≪こっちのは水泳バッグ……こいつは景山じゃねぇ≫
兵頭≪じゃあ、誰≫
小宮山≪別人ってこと?え?意味わかんないどういうこと?≫
真壁≪あ!この動画自体がフェイクって可能性は?≫
魚住≪これが防犯カメラの映像じゃないってこと?≫
熊沢≪翔、これ見て。この角度って斜め前にあるクリーニング店じゃない?≫
真壁≪絶対そうだ!こんなとこに防犯カメラあったっけ?≫
逢沢≪電話して聞いてみよう≫
その様子を見つめる先生は笑ってさえいなかったが、
どこか嬉しそうだった。
141人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
唯颯(プロフ) - ハナさん» 大丈夫です (2021年1月13日 4時) (レス) id: f647fc3f6b (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 質問大丈夫ですか? (2021年1月10日 21時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
唯颯(プロフ) - スライムさん» ありがとうございます!頑張ります! (2020年1月28日 23時) (レス) id: a45fde35bc (このIDを非表示/違反報告)
スライム(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください (2020年1月28日 23時) (レス) id: 028b55ef6b (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - 楽しみです!!!\(//∇//)\ (2020年1月28日 22時) (レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:唯颯 | 作成日時:2020年1月20日 23時