【3年A組】Espoir 2 - 卒業 - (ページ33)

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082話ページ33

武智「そんなことで僕を追い込もうとしたって無駄だ！」

『そうでもないみたいですよ？』

武智「藤枝？」

柊「……まぁた、勝手なことを」

『その動画に、武智先生。あなたの顔が映っていたそうです』

武智「はぁ？」

ため息を吐いた一颯先生に手を合わせてから

私は武智に向き直った。

そして、一颯先生がケータイ画面を武智に向けた。

武智「バカな…」

柊「用心していても、ぼろは出るものですね」

武智「嘘だ……何かの間違いだ…そんなわけない！」

『いいですか？もう一度言いますよ。9月25日、澪奈はフェイク動画の犯人に会いに行くと言っていました。
つまり、あなたが澪奈のフェイク動画をベルムズに依頼したhunterであり、
澪奈を自殺に見せかけて殺した犯人ってことになります』

武智「だから僕じゃない！！
そこに映ってるのは…僕じゃない！
待ってくれ、確かにあの日、俺は景山に会うことになっていた。君達の言う通りフェイク動画の件だ。
俺がフェイク動画が依頼したことがバレて、脅してきたんだよ。だから！！」

柊「フェイク動画の件は認めるんですね」

武智「あぁ！でも俺は彼女に会えなかった！彼女は俺と会う前に…」

よし、自白した。

顔は映さないようにっと…。

『みなさ～ん、お聞きしましたか？御覧の通り、武智先生が自分の罪を認めました』

武智「どういうことだ？」

『マインドボイスのライブ中継ですよ？今の会話は全て、ネットに流れていたんです。
ユーザー5000万人があなたの自白を聞いていたんですよ』

柊「景山を死に追いやったのは武智大和、あなただ！
この映像を見ているみんなが証人です。
さぁ、もう言い逃れは出来ませんよ？」

そう言ってから一颯先生はライブを終了させた。

私は一颯先生の隣に行き武智に向き合う。

柊「約束通り、あなたの大切なものを頂きました」

『名声と権威です。それが、あなたにとって何より大切なものだった
これで全てを失ったっ』

私は目を見開き口角を上げながら武智を見る。

どうですか？すべてを失った気分は。

あなたの中に渦巻く感情は何ですか？

武智「何だ、この茶番は。俺はただ、見込みのありそうなやつに、おいしい環境を与えてやっただけじゃないか。
それの何が悪い！

出来なければ消される、そんなの当然だろ！こっちとしては、ダメなら別の物を差し出せばいいだけだ！」

だめだこりゃ、一つも分かってないや。