080話 ページ31
柊≪あなたは景山澪奈に豪翔大学のスポーツ推薦の話を持ち掛けましたよね
景山澪奈の他にも、数年前に藤枝叶依という女子生徒にも話を持ち掛けた≫
武智≪それがどうした。俺は彼女たちの才能を高く評価した。
だからよりよい環境を与えようとしただけだ≫
『お姉ちゃん……』
諏訪「え?もしかして、藤枝叶依ってAのお姉さんのこと?」
水越「お姉さんいたんだ……」
"藤枝叶依"
当時、高校女子バスケットボールと聞いて
名前があがらないことはなかった。
小1の時からずっとバスケをしていて、才能にも恵まれていたお姉ちゃんは
魁皇高校の女子バスケ部を全国優勝へと導いた。
おまけに勉強もできるし優しい。
私の自慢のお姉ちゃんだった。
柊≪でも、彼女たちはその誘いを断った≫
諏訪「なんで?」
武智≪他に行きたい大学があったんだろ≫
柊≪違いますよ。あなたと豪翔大学の深い関係を知っていたからです≫
水越「深い…関係?」
柊≪見返りの報酬はかなりの額だったんでしょうね…。あなたは、景山澪奈や藤枝叶依を豪翔大学に入学させることを条件に多額の報酬をもらうはずだった≫
武智≪何を言ってんだよ。そんな……≫
そう、お姉ちゃんも澪奈もその事実を先輩に聞いていた。
だから、豪翔大学への推薦の話を拒み続けた。
隣で豪翔大学と武智の関係を知った3人は驚きを隠せないようだった。
柊≪景山本人と藤枝叶依の妹である藤枝Aから聞いたんですよ!
あなたは、彼女たちから断られてからも説得を続けた。
そして、ついに禁じ手を使った≫
茅野「禁じ手?」
『賄賂だよ。お金をちらつかせたんだ』
水越「うわぁ……最低」
何回か説得された時、静かに厚みのある封筒を
澪奈もお姉ちゃんも差し出されたらしい。
武智≪何を言ってんだ。そんなことするわけないだろう≫
柊≪あなたは毎年、一定数の生徒を豪翔大学に推薦入学されて、選手の活躍に応じて報酬を受け取っていた。
でも、みんながみんな活躍できるわけじゃぁない…生き残れるのはほんの一握りだ。
じゃあ、残りの生徒はどうなっているのか≫
諏訪「どうなってんの?」
柊≪調べてみたら、あなたの推薦で入学した生徒の9割が大学を1年目で退学していました。
あなたは活躍した生徒に対して多額の報酬をもらう一方で、1年目で結果を残せなかった選手には、強制退部、授業料免除の撤回など選手に苦しい契約を交わしていた≫
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唯颯(プロフ) - ハナさん» 大丈夫です (2021年1月13日 4時) (レス) id: f647fc3f6b (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 質問大丈夫ですか? (2021年1月10日 21時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
唯颯(プロフ) - スライムさん» ありがとうございます!頑張ります! (2020年1月28日 23時) (レス) id: a45fde35bc (このIDを非表示/違反報告)
スライム(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください (2020年1月28日 23時) (レス) id: 028b55ef6b (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - 楽しみです!!!\(//∇//)\ (2020年1月28日 22時) (レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:唯颯 | 作成日時:2020年1月20日 23時