【3年A組】Espoir 2 - 卒業 -

071話 ページ22

＊郡司Side＊

宮城「郡司さん！この一ヶ月の間に相楽孝彦が個人名義で造形物の発注を頼んだり
大量の火薬を仕入れていたそうです。」

郡司「やっぱりそうか……柊一颯と相楽孝彦は、つながっている」


俺の中では、もう1人気になる人物がいた。


藤枝A


彼女は人質の中の一人だと思っていた。

ただ、巻き込まれただけなのだと……。


でも、この間SITの隊員がつけていたカメラ越しの藤枝Aに

どこか違和感があった。


涙を浮かべ恐怖に怯えているように見えただろう。

でも口パクで確かにこう言った。


"撤退してください"


自分が殺されたくないからかもしれないが

気になった。少し口角を上げて笑った気がしていた。


郡司「宮城、藤枝Aについても調べておいてくれ」

宮城「え、この子ですよね……この美術部で有名なかわいい子。この子は、巻き込まれた人質なんじゃ？」

郡司「どうも違和感があってな……無関係とは思えない」

宮城「まぁ……調べておきます」


柊の指図なのか、それとも……共犯なのか。

藤枝という名字には心当たりがあった。


藤枝家夫婦死亡事件。

精神を病んだ母親が仕事を辞め、酒に溺れた父親を殺害し自 殺をした事件だ。

その当時SNSでも話題になっていて、

その事件が起きる前に長女はSNSでのフェイク動画が原因で自 殺していた。


生き残っているのは次女のみ。

もしそれが…・・・藤枝Aだったとしたら。

そんな考えが頭の中から離れない。


俺はその時知らなかった。

藤枝Aが表立って柊と行動を共にし始めたことを


＊郡司Side end＊

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