【3年A組】Espoir 2 - 卒業 - (ページ20)

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069話ページ20

＊茅野Side＊

教室の扉に水越さんを追い詰めた先生が

扉を叩きながら訴える。

柊「なぁ、考えたのかよ！！
お前の！不用意な発言で、身に覚えのない汚名を着せられっ、本人が！家族が！友人が！傷つけられたかもしれないんだ

お前は、取り返しのつかないことをやろうとしたんだ、なぁ！分かってんのかぁ！！！」

教室からは「もういいじゃん」「しょうがないでしょ」と言う水越さんを擁護する声が聞こえてきた。

すると、立ち尽くしていたAが一歩前に踏み出した。

『しょうがないって何？もういいじゃんって…良くねぇよ。
SNSで汚名を着せられるってね？すごく辛いことなんだ。しかも身に覚えのない、自分は何もやってないのに誹謗中傷される。

その家族や友人も傷つき、最悪の場合…崩壊する。

確かに坪井先生の伝え方が誤解を生んだのもある。でもさ、動画撮る必要あった？
坪井先生と話をさせてって一颯に頼みなよ！

思い込みで！決めつけで！他人を傷つけないで！その人と、その人の家族や友人の人生をめちゃくちゃにしないで！！』

涙を流しながら必死で訴えるAに皆が押し黙る。

事情を知っている私は、Aの訴えに涙を流していた。

『あと、フォロワー増えるとか注目されるとか。そんなことに目がくらんだよね？結城さん。
自分が注目されれば、有名になれればなんでもいいの？人の不幸がその先にあったとしてもなんとも思わないわけ？

有名になるために人の人生狂わせないで！！すんごい最低だから！』

結城さんの前に歩いていき机を思いっきり叩くA。

私からは見えないが、スゴイ剣幕をしているのだろう。

まともにAと向き合ってる結城さんの目に涙が浮かんでいた。

柊「A、落ち着け。お前ら目を覚ませ！！変わってくれよ！！！
なにがいけなかったのか、上辺だけで物事を見ないで！よく考えるんだよ！！

目の前で起こっていることを！ちゃんと目で受け止めて！頭に叩き込んで！胸に刻むんだよ！

お前らそれをしないから何回も何回も同じことを繰り返すんじゃないのか！

本質から目を背けたらだめなんだよ！！なぁ、水越！聞いてんのかお前に言ってんだぞ！！

おい！お前に言ってんだよ！！！ちゃんと頭に叩き込んだか！？ちゃんと胸に刻んだか！！聞いてんのか！！

お前たちはもう、感情に任せて過ちを犯せる歳じゃないんだよ」

＊茅野Side end＊