【3年A組】Espoir 2 - 卒業 - (ページ2)

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051話ページ2

美術準備室のドアノブには電流が走っていて

カーディガンで手を覆ってドアノブに触ろうとした時、

中から「やめておけ」と声がしたらしい。

茅野「“ケガするぞ”って、中から中尾君の声がして」

水越「蓮がっ、蓮が生きてるの！？」

茅野「うん。他の皆も無事だって。

中尾君が言ってた。先生は私たちのためにこんなことしてるんだって。
だから先生を信じてほしいって！」

『ちゃんと見とくんだった……』

甲斐「みんなが生きてる……だからって1人の教師がどうこうできる問題じゃねぇんだよ。あいては…」

柊「ベルムズなんだろ」

“ベルムズ”

巷を騒がせているハングレ集団……。

ん？待てよ、ベルムズ？

『ベルムズって……お姉ちゃんも言ってた』

茅野「A？お姉ちゃんって……」

甲斐「なんでそれを……」

「ベルムズって何」という魚住さんの問いに須永君が答える。

“A、ベルムズなの……でもね、このことは誰にも言っちゃダメ”

“言ったら、A達が危ないからっ、だから……”

自殺する数日前にお姉ちゃんが私に向けて言った言葉。

そのときは、なんだそれくらいにしか思っていなかった。

柊「ベルムズの“Ｋ”に景山の弱みになるような動画を撮るように言われたんだろ。お前は、“Ｋ”の正体を知ってる」

『甲斐君、教えて？“Ｋ”の正体』

ベルムズのリーダーの“Ｋ”。

その正体は一部の人間しか知らない。

私は、澪奈のことがあって姉の死に向き合ってから

調べようとしたけど、どうしてもたどり着けなかった。

そんな“Ｋ”の正体を知っている人間が目の前に居る。

柊「甲斐っ、お前は一人じゃないっ……俺が必ずなんとかする！」

甲斐「……喜志だ。ベルムズのリーダーは、喜志正臣って男だっ」

『喜志…正臣』

柊「奴の居場所はどこだ」

甲斐「中央町のYURIBAってガールズバーだ。事務所はその奥にある」

柊「よく話してくれたっ！……ここからは大人の仕事だ。

聞こえましたか？」

郡司≪あぁ、どこまでがお前のシナリオだ。まさかガールズバーの一軒で喜志を引っ張らせるタレコミもお前か≫

柊「今それは重要じゃないです。警察もずっと探してたんでしょう。ベルムズのアジト」

ケータイが繋がっていた先は、捜査から外されたはずの郡司真人警部補だった。

別の角度って、こういうこと？