【3年A組】Espoir - 卒業 -

029話 ページ30

柊「やるよ」

甲斐「ふざけんな！！」


恐怖でもたつきながら美術室を出ていく甲斐君たち。

中尾君の手と言われる物を持って私と一緒に準備室へ行く。


柊「なーんちゃって」

『ホント演技がうまいなぁ……しかもリアルだし、コレ』

柊「Aの間抜け面もなかなかだったぞ」

『いや、いきなりぶっちゃけるんだもん』


今まであんなにはっきり言われたことなかったし

皆の前で言われるっていうのがね？

絶対噂されてるよ。


柊「A、こっちおいで」


私に手招きしながら、薬を飲み動画を再生する。

そこには、文香さんが映っていて……。


『ここで、まだ好きなんですかって言いたいところですけど』

柊「ですけど？」

『分かりました。先生の目的』

柊「さすが、賢いね。Aは」


そう言って先生に頭を撫でられているとケータイが鳴った。

先生がそれに出る。


柊「はい」

郡司≪寒いから体育館に戻っちまったよ。また誰か殺ったんじゃないだろうな≫

柊「今日は課題をクリアしたので全員無事です」

郡司≪今日はってことは昨日は殺したのか……おいおい、ちゃんと話しようよ。こっちも給料もらってんだから、ただ待ってるってわけにはいかねぇんだよ≫

柊「なら、おにぎりを頂けますか。31人分」

郡司≪分かった。用意しよう≫

柊「10分後に第一校舎の昇降口に来てください。もちろん丸腰で。武器を所持または誰かが同行した際には教室ごと爆破します。では」


通話を切った先生はマインドボイスをPCで開く。

そこには、“とある魁皇生”と名乗る人物の投稿があった。

とある魁皇生刑事と先生がこれから直接対決するよ

その発言でマインドボイスが盛り上がっていた。


『内通者動かしたんですか？』

柊「誰か知ってる？」

『んー、まだはっきりしてないけど……集め忘れるヘマはしないじゃん』

柊「まぁね」

『昇降口行くの？』

柊「うん。Aも一緒に行くよ」

『え？……うん。分かった』


私は先生と一緒に昇降口へ向かった。

030話→←028話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す