ぽや門に恋した姫 (ページ50)

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勇気を出して思いを伝えたものの、正門くんの声は聞こえない。
不安になりながらも正門くんを見てみた。
そこには絵に書いたように目が点になっている正門くんが。

『あの、正門くん？』

正「あ、や、ごめん。びっくりして頭追いつかなかった」

『驚かせちゃいましたよね…すみません』

正「謝らんで。……A、改めて言わせて」

正門くんの言葉に私は頷き、隣に座る正門くんの目を見て話を聞く体制に。

正「A、これからは一緒に楽しいことやつらいことも乗り越えていきましょう。俺と付き合ってください」

そう言って正門くんは私に手を差し出して頭を下げる。

答えはひとつしかない

『私でよければよろしくお願いします…！』

その言葉と共に目の前の手を握る。
その瞬間体がグラッと揺れたと思えば、何かにギュッと締め付けられる私の体。

『正門くん、？』

正「あかん、今見んといて…//」

気づけば正門くんの腕の中にいる私。
どうしたものかと顔を上に向けて正門くんを見る。
でもすぐに逸らされてしまう目線。

『なんで目逸らすんですか？』

正「なぁA。その上目遣い、他の人にやったらあかんよ」

『ん、？何でですか？』

正「Aが可愛すぎて襲いたくなってまうから」

さっきは逸らしていたのに今度は魅惑的な目をして目線を合わせてくるから恥ずかしくなって正門くんの腕の中から少し強引に出た。

『いや、お、襲いたいなんてそんなこと、ないですって…！』

正「そう？現に俺、A可愛すぎて押し倒したいくらいやけど」

『えっ…//』

(待って、正門くんってこんな積極的なこと言うん！？胸バクバクして死にそうなんやけど……)

すると頭の上にポンポンと正門くんの手が。
恐る恐る正門くんを見ると微笑んでいて…

正「さすがに付き合って一日目やからそんなことせんよ。可愛い彼女さんに無理させたくないし。…でもこれくらい許して？」

そう言って私の前髪を上げると、ちゅっとおでこにキスを落とした…私の彼氏さん。

(一日目からこんなドキドキさせられて、私心臓持つんやろか)