ぽや門に恋した姫 (ページ48)

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正「俺が夕飯作ったんよ。Aの口に合うとええんやけど」

『すごい…正門くんの作る料理一度食べてみたかったんです！』

テーブルの上にはたくさんの美味しそうな料理の数々。
料理まで作ってくれるとは…

『いただきます、、んっっま！美味しいです！私が作るより圧倒的に美味しい…』

正「大袈裟やって(笑)俺は前にAが作ってくれたご飯の方が美味しいって思うわ」

『そうですかね…私はこういう男飯って感じの料理も好きです。今度作り方教えてください』

正「もちろんええよ。Aのためやったらいくらでも時間作る」

私を見つめながらそう言う右隣の正門くんは
いつもの正門くんとは少し違う気がした。

正「A、もう一回目つぶってもらっていい？」

『はい…』

お箸を置いてから目を閉じる。
隣から袋が擦れるような音がする。
すると右手首に少しひんやりした何かが触れた。

正「できた。目開けてええよ」

そっと目を開けて右手首を確認する。

『わぁ、可愛いブレスレット……』

星がひとつ付いている薄ピンクの可愛らしいブレスレットが私の右手首を輝かせていた。

正「俺からの誕生日プレゼントなんやけど…どう？」

『すごく嬉しいです…！私のメンカラやからピンクにしてくれたんですか？』

正「うん。単純にAに似合いそうやなって思ったのもあるけどな」

『どっちにしても嬉しいです！大切にします！』

私のことを考えて買ってくれた。
その事実だけで舞い上がる単純な私。

正「……プレゼントって贈るものによって意味があるって知ってる？」

『聞いたことはありますよ。でもどんな意味かまでは…』

正「ブレスレットって"ずっと一緒にいて"、"あなたしかいない"って意味なんやって」

『、、、、、、え？』

私はただ驚くことしかできなかった。
正門くんの真意が分からない。

『それ、はその…買ったあとに贈り物についての意味を調べたらそういう意味やったってゆうことでしょうか？』

正「ちゃうよ。事前に意味調べて買った」

正門くんの口から出る情報に困惑しかなかった。

『なんでそんなことを…？』

正「…"おとす"ためや」

『おとす？何をですか？』

耳を赤く染めて
私から目を逸らさずに
正門くんは続きの言葉を空中へ放った。

正「口説き落とそうとしてんねん、Aを。Aのこと好きやから」