ぽや門に恋した姫 (ページ19)

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『え、え、ちょ、え？何これ！？』

佐「詳しいことは分からんけど、新しいYouTubeチャンネルに有岡くんたちが中心で出るらしくて、俺らも一回参加できるんやって！」

『うそ…私死ぬんかな』

佐「かもな。初めてやろ？仕事ご一緒にできるの」

『うん…まず有岡くんとお話したことないし、勇気出んくてライブの見学も行ったことないのに、、でもめちゃめちゃ嬉しい……』

そのまま晶哉くんと話を続けていた。

こちらに向かってくる足音にも気づかず

ガシッ

突然誰かに腕を掴まれた

『えっ？』

正「きて」

正門くんやった

廊下に出て少し歩き、自販機のある広々としたところで止まった。
掴まれていた腕を離されて正門くんと向き合う。

正「久しぶりやな」

『そうですね…正門くんが来たの気づきませんでした』

正「そうか、晶哉と楽しそうに話してたしな」

『いや、あの…』

正「ごめん、こんなこと言いたい訳やなくて……この前のことなんやけど」

あの日や
正門くんと女の人が一緒にいたところに出くわしてしまった日

『あの日はすみませんでした。何も言わんで勝手に帰ってしまって』

正「それに関してはええんよ、気にしとらんし」

(気にしてないんか、やっぱ私って恋愛対象やないんかな)

『ただびっくりしただけですから。正門くんにあんな親しい女性がいたの』

‪‪正「親しい女性ってゆうか、あの人はな…」

『ええですよ言わんくても。何となく分かりますから』

"彼女"という言葉を聞きたくなくて、正門くんにかぶせて話した。

(ここでケリつけて諦めんとな、)

『綺麗な方でしたしお話も合ってたみたいで、お似合いやな〜って思いました』

(泣くな、自分)

『正門くんのこと応援してますからっ！……じゃあギターの準備まだやったんで』

その場から逃げたくなって、曖昧に終わらせて戻ろうとして正門くんに背を向けた。

正「待って！」

その言葉と共に後ろから抱き締められた

"離さない"と言うようにキツく

『正門くん、？』

正「違うんよ、あの人はそういう関係の人やない」

ドクドクと正門くんの心臓の動きが感じられる
思い過ごしか、少し早い気がした

正「あの人な、俺の姉さんやねん」