甘い毒に捕まって死ねばいい。【BTS】

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「今日連絡するから、絶対電話出てね。」

『…いや、その、』







「そういえば、あの時のお前のビデオまだ持ってるよ。」








そこで、また初めて気がつくのだ。







トラウマを持っていたことだけじゃない。

自分が知らないところで、自分の弱みを握られていたことに。








『ビデオ、って、』




「あはは、もちろん。





気持ちいことした時のビデオだよ。」






心臓が痛い。

顔も見たくないのに、こんな時だけ弱みを握られていた。
あ、ああっ、どうしよう。

私の人生終わったも同然じゃないか。






「あの顔見ただけでマジで死ぬほど抜けるね、お前の顔とろっとろでさ、ほんとたまんねーの。」

『ジョン、グクくん、』




「僕が何回お前の顔で抜いたか知ってる？」





ゾゾって変な感覚が背筋を襲った。



頭真っ白で、そんな質問ぶっかけられても何も答えられなかった。

どんな顔をされているのかも見たくない。



撮られてた。
黒歴史も、トラウマも、全部全部。








「…ああ、ごめんごめん。とりあえず電話無視すんなってことだけ覚えといてよ。」








客も店員もいないパン屋の中。


悪い夢なら早く覚めてくれと、願った。

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