3 ページ3
.
慌ててポケットの中に手を突っ込んで、連絡先が書いてある紙をゴミ箱に投げ捨てた。
おちつけ。落ち着け。
思えば思うほど焦った。
せっかく完成しそうだった絵も歪んで見えて、データを削除した。
あ、ああっ、どうしよう。
なんで、ここに。
じんわりと目頭が熱くなって、生理的な涙が溢れる。
あの時だ。
何年も前のあの瞬間が頭から離れなかった。
せっかく、せっかく忘れてきたところだったのに。
男の人とも話せるようになって、最悪だった記憶が薄れるようになったのに。
冷や汗が滴って、ただひたすら泣きそうだった。
会いたくなかった。
コンビニなんか、行くんじゃなかった。
『っ、……ふぅ、………っは、……』
深呼吸。
…大丈夫、だいじょうぶ。
忘れるんだ。
連絡先を捨てればこっちのもんだ。
思い出しちゃ、だめだ。
あんな記憶なんか、忘れるんだ。
.
.
私はそれに必死で覚えていなかった。
自分の不幸体質の本質を。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1652人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
テテLOVE - とても最高でした！！！ もうちょっと、続き見たかったーww こういうグクもokですなーーー (2019年12月7日 19時) (
レス) id: 817c01a749 (このIDを非表示/違反報告)
yka.(プロフ) - 完結おめでとうございます！本当にこの作品大好きです…私も狂愛チックなお話が大好きでして…(( 次の作品も楽しみにまっております、！！ (2019年10月27日 0時) (レス) id: 537e4a64df (このIDを非表示/違反報告)
SIN-KYO - いえいえ！私も大人の知恵熱というものを知らなかったですし、名前のやつも自分のだけ反応してなかったのでは…と心配していたので合っていて良かったです(^^)とてもこの作品も面白かったですよ！ (2019年10月16日 18時) (レス) id: 467b8a1d7b (このIDを非表示/違反報告)
いつき(プロフ) - SIN-KYOさん» 有難うございますっっ…！！本当こんなぽんこつ作者で申し訳ないです笑 (2019年10月15日 21時) (レス) id: 317f2047c2 (このIDを非表示/違反報告)
SIN-KYO - 35のはじめの方だと思うのですが…私の勘違いだったらすみません(汗 (2019年10月15日 20時) (レス) id: 467b8a1d7b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いつき
x他1人 | 作成日時：2019年10月10日 22時
