439、知念侑李 ページ18
「おはよう、Aちゃん。今日、用事あるかな?もしなければ、ちょっと会って話したいんだけど…。」
誕生日前日、私は電話でちぃちゃんから呼び出された。
『予定は特にないけど…ちぃちゃんの家に行けばいい?』
「いや、わざわざ赴かせるの悪いし…僕がAの家に行くよ。」
『わかった、待ってるね。』
電話を切って暫くすると、ちぃちゃんが家に来た。
「急にごめんね。でも、明日は会えないだろうし伝えるなら、今日かなって。」
確かに明日は誕生日だからいろいろめんどくさそうだね、うん。
『伝える…って、何を?』
「…頑張ってほしくて。」
『え?』
「…A、明日なんか重大なことするつもりでしょ?」
『…うん、よくわかったね。』
「決行するならきっと特別な日だろうと思って。」
ちぃちゃんには敵わないなぁ…。
「僕にわかるのはそれくらいなんだけど…Aに頑張ってほしかったから…それを伝えたかったの。」
『ちぃちゃん…。』
「…中学生の頃、僕がAを守らなきゃって勝手に思ってた。涼介もゆーてぃーもだらしなくて、僕だけがAを守れると思ってた。…でも、A…すごく、強くなったね。もう、僕の助けなんていらないよね。」
『…違うよ…。』
ちぃちゃんの言葉、すごく嬉しいよ…でも…。
『ちぃちゃんが、私に力をくれたんだよ。あの時、ちぃちゃんが助けてくれて…私、嬉しくて…すごく、嬉しくて…ちぃちゃんがいてくれたから…今の私がいるんだよ…。本当に…ありがとう…。』
「っ…A…。ありがとう。そう言ってもらえて、嬉しい。涼介程じゃないけどAのことずっと見てたから…Aの覚悟も伝わったから…頑張れ!」
こんなにも暖かくて、心強い応援を私は始めて貰った。
胸が暖かくなって、なんでもできそうな気すらする。
「…僕が言うことじゃないかもしれないけどさ、皆に会ってきたらどうかな。」
『皆に?』
「うん。多分ね、皆薄々気づいてるよ。Aが覚悟を決めてること。…まあ、涼介もだけど。」
『…?何か言った?』
「ううん?何にも。とにかくさ、多分皆時間あるだろうし、上手く調整してくれると思うし…。皆に会って鋭気を養う的な。」
『そっか…うん、そうしようかな…。』
「そう言うと思って、皆と約束を取り付けてあるよ。」
『いつの間に!?』
やっぱりちぃちゃんには敵わない…。
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作者名:さくらもち | 作成日時:2017年5月10日 18時