432、立場 ページ11
涼介side
…とは、言ったものの…。
現実的に考えると難しいし、色々…面倒なんだよな…。
特に…。
「あれ、山田さん？」
「…あ、流星さん。」
なんつー偶然。
買い出しに来たら流星さんと会うとは…まあ元々家近い方だし、買い物ってなったらここ来るよな。
「偶然ですね。」
「はい…本当に…。…麗奈さんとは順調ですか？」
「…Aさんから聞いたんですか？」
麗奈さんの名前を出した途端、流星さんの顔は赤くなっていく。
「えぇ、まあ…。他に知ってる人いないでしょう？」
「順調…なんやろか？関係としては殆ど変わってないと思います…。」
凄く複雑そうな笑みを浮かべる流星さん。
「…執事って立場はいろいろ面倒やからなぁ…。一番近いところにいるのに、実際は一番遠い…。」
流星さんの言葉にちょっとドキッとした。
正についさっきまで俺が考えてたことと一緒だ。
「…そう、ですね…。」
「でも。諦める気も、ない…ですよね？」
「…当たり前じゃないですか。」
…本当は、昔から気づいてたんだ。
でも認めたくなくて、認められなくて。
…最近になってやっと、認められるようになったんだ。
「ま、お互い頑張りましょう。愚痴くらいならいつでもききますよ。」
「あ、俺流星さんの連絡先知らないですけど。」
「え！？…あ、ほんまや…。」
成り行きで流星さんと連絡先を交換して、その時バレた。
「…Aさんとのツーショット？」
「あっ、違っ…！いや、違わないけど違うんです！！」
「…俺より全然進展してるじゃないですか…！」
「…そこですか。」
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作者名：さくらもち
| 作成日時：2017年5月10日 18時
