【小説版】政府未実装しか居ない本丸【刀剣乱舞募集企画】 (ページ17)

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第18話【帆凪藤四郎】ページ17

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「あ、いち兄！」
「いち兄っ！」
「いち兄～！」
「よぉ一期。達者か？」

木魚が三回、りんが一回。

「……ぽわっ」

＿＿＿＿ゴンッ。
演錬会場控室に響く鈍い音。それの正体が空色の頭が地面に強打された音だと一番最初に気づいたのは、この控室で最も機動値の高い愛染国俊だった。

「ぎゃー！主ーっ！一期さんが倒れたー！！」
「いち兄ー！！」

「いち兄っ」「いち兄」「おい大丈夫か一期」「待ってあんたら誰」「帆凪ちゃんたちのお兄ちゃん？」「白山吉光おそらがきれい」「一期～」「待ってください主さんこの刀たち白山吉光さんじゃないですから」「今日は曇りだぞー？」「いち兄起きた！」「こいつは驚きだぜ」「おじうえ、こざくら、べに、ほなぎ……ぽわっ」「わーいち兄また倒れたんですけど！」「魂飛んでるぞこれ」「いち兄ー！！」

対戦相手の審神者と一期一振の魂が飛び、加州清光と鶴丸国永が白い目で未実装粟田口’ｓを見て、愛染国俊と堀川国広が混乱し出し、御手杵が謎のツッコミを零す。そして慌てる篠村国吉、紅藤四郎、帆凪藤四郎、小桜藤四郎の粟田口’ｓと現状が理解できていない海神猫々子丸夢叡に陸上戌々丸夢想。
一瞬にしてカオスに飲み込まれた空間の中で、一期一振の気持ちが少なからず理解できた審神者は思った。

曰く、連れてくる刀剣すっげぇ間違えた、と。

「演錬に出ましょう」

こんのすけが白山吉光鍛刀チャレンジに大敗をキメていた審神者にそう言った。鍛刀の手伝いに駆り出されていた岳丸はまあここ最近出てないからなと納得したが、思考の隅っこで「白山吉光祭りの今演錬に出るのか」とも思っていた。
ちなみにこんのすけが演錬を推奨した理由はただ単純に資材が枯渇寸前なので怪我をしてもシステムが治してくれる安全な場所を選んだがために過ぎない。こんのすけにも悪気は無かった。一切無かった。

そこで演錬部隊として組まれたのが上記の粟田口’ｓと夢銘兄弟である。ちなみに夢銘の次男は遠征中だった。
太刀二振り、打刀一振り、脇差二振り、短刀一振りとなかなかにバランスもよく、ついでに身内や仲のいい刀剣を部隊に組み込むともし「あっ小さい子が」だとか「あっ甘味処が」とかの事態になった時迷子になりにくいと前回の演錬で学んだのだ。前回は伊賀がいてくれなかったら帰還が三十分くらい遅れたかもしれない。

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