【佐々木と宮野】かっこいい先輩。【半澤】

呼び方。 ページ13

白石side



半「うーん、俺も正直教えるのとか初めてだからな〜。苦手な範囲ある？」

『あ、ここです。』



そう言うと教科書を覗き込む半澤さん。


このシチュエーションは妹の少女漫画で見た。


男が女に勉強を教え、無意識に近付いてくるのにドキドキする女。


その少女漫画の女の子の様に、女でも無いのに半澤さんの行動にドキドキしてしまう俺。



半「確かに、この範囲苦手な人多いよね。どれくらい出来るかこの問解いてよ。」



真剣に教えてくれている半澤さんに失礼だと思った俺は、さっきまでの思考を振り落とし、勉強に集中した。



＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿




大嫌いな勉強が終わりひと息ついた時、ふと時計を見ると夜の九時を回っていた。



『えっ…半澤さん！九時ですよ！』



焦って伝えた俺とは反対にニコニコ笑顔の半澤さん。正直今は笑ってる場合じゃないっす。



半「帰り道、わかんないから送ってもらえると有難いな。」

『あ、全然良いですけど…。時間大丈夫なんですか？』

半「ん？うん。」



全く焦らない半澤さんに少し安心しつつ、それでも外は暗いので急いで送る準備をする。


準備が終わって、半澤さんとの二人きりの帰り道。



半「白石さ、なんで俺だけ半澤さんなの？」

『え？』

半「平野には先輩じゃん。」



そんな事を聞かれて驚く。


正直半澤さんを先輩と呼ばないのは癖だ。黒が半澤さんと呼ぶから最初から俺の認識は半澤さんになり、今更先輩と変えるのも違和感があった。


そんな俺に半澤さんはこう言い出した。



半「なんか、俺の方が白石と仲良いのに、距離感じて腹立つじゃん？」



そう言った半澤さんは、いつも通りのニコニコ笑顔だった。

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