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84-3 ページ46

--梵天 佐野視点


夜中に出発した
人目を避けるにはこの時間帯しかない
望月と明司はアジトに残った

運転は鶴蝶、助手席には竜胆
三途、蘭、九井、A、オレは
後ろでくつろいでいた

『ココ眠い』
横にいた九井にAが言った
その声に


A〜蘭チャンとこおいでぇ


三途
クソ谷 テメェ!
A〜はるちゃんがいいよな?


竜胆
はるちゃんって・・・キモッ


三途
オイゴラァ!竜胆だまれェェエ!!


鶴蝶
静かにしろ


九井
おいAもう寝てるぞ
ボスの勝ちだな


オレが抱いてやるとすぐ寝てしまった
規則正しい呼吸、ほどよい体温
オレもAを抱いたまま
いつぶりかわからない眠りに落ちた


任務に出たのは 鶴蝶、蘭、竜胆
蘭は散々文句を言って出て行った


九井も前日、徹夜で仕事を片付け
今日は羽を伸ばすつもりだろう

テラスで紅茶を飲む九井
オレの横には三途とAが
花壇を見ながら話していた




籍を入れたのはAが16の時
たけみっちが未来に帰った2年後だった

Aの両親には兄貴達が説得してくれ
兄貴達はなぜか物分かりがよかった

Aの夢はマイキーと幸せになる事
そうスマイリーとアングリーは言ってた


たけみっちから未来の事を聞いて
一度はAを
手放そうと考えた時もあった・・


入籍前オレは正直にAに
伝えたことがある

オレが向かう道は平坦な道じゃない
この先、大事に思う友達や
家族にも会えなくなる
オマエが思い描く幸せじゃないかもしれない
そして身にも危険がある事


それでもAはオレに
ついて行くと言ってくれた
そんな過酷なことがわかっているのに
どうしてオレについてきてくれたのか・・


もしオレの身に何かあっても
梵天の奴らには、伝えてある
一般の生活には戻れないが
Aには金も家も何不自由ない
暮らしができるようにはしてある




春の日差しが降り注ぐなか
心地よい風が通り抜けた



『万次郎あっち行きたい』
Aの指さすほうは青々と茂る芝生
オレはAを抱きかかえた


ここ?
オレが聞くとAはその場で座り


『膝枕してあげる』と言ってくれた
オレはAの言う通り寝転がった


大きくならない細い体
見た目はあの時のまんまだ

オレの頭を優しくなでてくれる
嬉しそうに笑うAを見て
いつまでこの幸せが続くか不安になった


--憂

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作者名:ria | 作成日時:2023年1月24日 21時

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