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Ep28 ページ11

「おーぐっちゃんの車さっすがぁ。私に車くれない?」
樋口ちゃんの車に乗り込みながら、口を開く。
「駄目です。探偵社に降ろします。」
きっぱりと樋口ちゃんが云い切る。
「ありがとう。」
鏡花ちゃんが笑顔を作って云う。
ああいい子だ。
「あ、そろそろ電話つながるかな。」
私は不意に思い出し、云った。
鏡花ちゃんが電話を取りだし、かけ始める。

「……あ!敦!」
繋がったのか、嬉しそうな声を上げた。
『鏡花ちゃん!?大丈夫!?』
鏡花ちゃんがスピーカーに設定する。
敦君の焦っている声が聞こえてくる。
「はぁい!敦君!生きてるから女医の姉さんを説得してくれないかな!」
隣から、声を電話に出す。
『Aちゃん!……ごめん。それは出来ないよ。』
申し訳なさそうな敦君の声が響く。
「なんで!出来る!君なら出来るんだ!」
某暑い人の真似をして、声をだす。
そりゃまぁ必死に。
兎に角必死に。
『だって!さっき与謝野さんが!「さぁて治療の準備をしようかねェ」って上機嫌に医務室に入っていったんだよ!無理!』
敦君の叫んでる声がする。
何故。
敦君が可愛いのはわかる。でもさ、説得くらいしてくれよ。
「今、樋口さんの車で送ってもらってる。もうすぐ着く。」
鏡花ちゃんが、無機質な声で云う。
『わかった。じゃぁAちゃん。ご愁傷様。』
敦君が一言云って、電話を切った。
何だと。
敦君今云ったな。
聞いたからな。
ご愁傷様って。

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藍梨(プロフ) - とても面白いですね! (2021年8月12日 19時) (レス) id: 42bd1ecc91 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鈴愛(れいあ) | 作成日時:2018年5月20日 18時

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