5-45 「その一言が伝われば」 ページ47
北斗side
俺が死ぬことは知っていた。
ジェシーに食べられたその時から。
だから転がりながら京本たちの声を聞いていた。
京本が俺を守ってきたって何それ…
俺、知らない。
でも、よく考えてみると京本は今まで変な蜘蛛をとうざけてきた。
情報だっていっぱいくれた。
確かに、俺は京本から守られてた。
あの時、京本の忠告を聞いていたら、
俺はここでジェシーに食べられて死んでなかった。
後悔しても遅い。
もう死ぬだけ、
でも、一言だけ、京本に言いたいんだ。
「ねえ、ちょっと話してもいい?
京本…」
真っ先日顔を向けたジェシーを無視して、
泣いている京本を見る。
「大我…
守られてるの嬉しかった…
俺…蜂になって、守ってあげれたらよかったのにね…」
鼓動が早くなる。
京本は俺に近づいて言った。
「北斗…愛してる。」
満足したように俺の意識は沈んでいった。
「俺も…愛してる…」
その言葉は言えたか分からない。
ただ、届いているのは間違えない。
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作者名:蕾華 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pandaraiyu1/
作成日時:2020年12月3日 22時