今はまだ叶わぬ恋 2【佐野玲於】

理性なんて ページ38

玲於side







今、俺の腕の中で

目を瞑って

優しい唇を重ねてるのは





紛れもなくA。





Aが風呂上がったあたりから

ニコニコ笑う彼女が可愛すぎて

理性なんて保てなかった





すっぴん恥ずかしいとか

照れ笑いしてるけど

素のままが1番可愛いってことを

教えてあげたかった





そのままでいいんだよ。


素のAが好きなんだよ。





その想いを込めて唇を奪った。





そしたら本当に " 好き " って気持ちが抑えられなくなって。



何度も、何度も繰り返した。



けど、何回しても足りない、足りなくて。





自分の想いが溢れてくばかりに


Aを包む腕の力が強くなって。



それに応えるように


Aもありったけの力で抱いてくれた。






時間軸なんて気にせずに


ずっとずっと


この時間が続けばいいのにって思った






お互いに唇を離して腕も離した






玲於「急に、ごめん」


「ううん、しあわせ」


玲於「俺も。疲れた？」


「わたし、まだ疲れてないよ」


玲於「そっか、」





少し髪の毛が濡れてるAは

今まで見たことないほどに可愛くて

何かを求めてしっぽをふってる子犬に見えた





玲於「続き、する？」


「はじめてで分かんないけど、
　がんばってみるね」


玲於「頑張らなくていいから、俺に身任せて」


「うん、」


玲於「痛くしないつもり」


「痛くてもいいよ、」


玲於「痛かったら、ごめん」




寝室、運ぶねって言って


お姫様抱っこみたいに抱いて


ベッドに運ぶ。




Aの華奢な肩とこの軽さは


前に家でソファに持ち上げた時と同じ感覚





あれ以来か。





あん時は全然恋愛感情とかなくて、

傷つけちゃったかな、って




そう考えると、

自分が情けなくてたまらなかった。




ぎゅって肩にしがみついてた手を


そっと離して


ベッドにゆっくり下ろす。





この子のはじめて。


俺になるとは思わなかっただろうな。




そんなAは泣きそうな目で見つめてくる。





これから俺でいっぱいにしてやるから。




優しく、優しくしてやるから。








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