今はまだ叶わぬ恋 2【佐野玲於】

キャラメルラテ ページ19

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玲於くんは電話に出なかった


お仕事だったのかも...

わたしすごい迷惑じゃん




でも、会いたい気持ちの圧勝だった



「はぁ...」




夜ご飯のまかないサンドウィッチと
ホットココアもあまり喉に通らなかった





スマホのディスプレイに表示された

待ち受けは玲於くんの写真、キメキメのね

余計会いたい、会いたい、会いたいって




時計は 23:15 を回っていた




もうクリスマス終わっちゃうじゃん

結局、今年もクリスマスは平凡だった

いつもよりもつまらなかった




あと少しで閉店時間だし、それまで頑張るか。



頑張れわたし。



休憩時間を終えて、カウンターに立った

誰もいない静まり返った店内






ガチャッ




閉店ギリギリに来る人なんて久しぶりだな

なんて思ってた



顔をあげてみたら、







.









玲於くんがいた...








ねえ幻覚なの？夢なの？

お仕事で忙しいでしょ？





好き




「A、」




好き




玲於くんがわたしの名前を呼んだ

夢なんかじゃない




「玲於くん...」




好き




一瞬で涙が溢れてきた

バイト中なんて頭の片隅にもなかった




なんで？



電話さえかけ直してこなかった

行くねとかLINEもなにもなかった






「なんで...」



玲於「電話...」



「会いたかった」



玲於「そ、」



「そっちこそ」



玲於「Aに、会いたかった」



「...っ」



涙が溢れた。



今なんて言った？って聞き返したいけど

このムードぶち壊したくない





玲於くんが目の前にいるのは、

きっと現実なんだろうってこと。





素直に、嬉しかった

好きな人に会いたいって言われるのって

こんなに幸せなものなんだって




「なんか飲む？」




誰もいないから言えた、店員の特権てやつ





玲於「Aのおすすめで」


「甘いの、好きだよね？」


玲於「俺、甘党なの知ってるよね？」


「じゃあ、キャラメルラテね」






カウンター座って、って言って、

最近店長から習得したラテアートってやつ、頑張ってみたの、柄は迷わずハートにした。





カウンター越しに覗いてきた。

あの、上目遣いで。可愛いんだなまたこれが

本人には到底言えないけど。





玲於「すげえじゃん」


「ありがとう、頑張ったの」






多分、わたしが玲於くんに褒められたの、初めて。


照れる。絶対わたし顔赤くなってるじゃん




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