好物頂上決戦【月島 蛍】

喧嘩と変化。 ページ17

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「…え、影山。何その怪我」

「…日向と喧嘩した」

「どうせロクでもないことデショ」

「あ？」

「月島空気読みなよね」








次に日向と影山に会った時、2人は喧嘩していた。

互いに顔に、絆創膏を貼って。





仁花ちゃんに聞けば、あの後、速攻のことで口論になり、取っ組み合いの喧嘩に発展したらしい。

近くにいた田中さんが喧嘩を止めたのだとか。







「やっぱ仁花ちゃんと一緒に残ればよかった…」

「え。まさかキミみたいなのがあんな野生動物止められるっていうワケ？冗談キツいケド？」

「月島ぁ。私と殴り合いの喧嘩したいの？悪いけどこの右フックで勝たせてもらうから！」


「その手短すぎて僕に当たらないデショ」






大きな手で頭を押さえられて、動きを抑えられる。

精一杯月島に右手を伸ばすも届かない。





ほらさっきまでの威勢はどうしたのー？と蔑むように笑う月島は鬼だ。


結局それは、大地さんが黒笑で近づいてくるまで続いた。


影山いつの間に消えてたの？←







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いつものように練習していると、烏養さんが近づいてきた。





「しばらく日向は試合形式の時はBチームに入っから」

「あの、烏養さん」

「なんだ」

「2人は…その、大丈夫なんでしょうか」







私の言葉に、烏養さんはケロッと『大丈夫だろ』と言葉を紡いだ。







「日向はジジイのところで練習させてるしな」

「ジジイ…もしかして、大地さん達が言ってた烏養監督のことですか？」

「あぁ。情けねーことに、俺はコーチとしてまだまだだからな。ちょっとアドバイスってやつ貰いに行ってたんだ」

「なるほど…」

「それに、影山の方も今絶賛練習中だ」







見ると、ペットボトルを色んなところに置いていた。

AクイックやBクイック、レフト平行、ライトオープン…


セッター定位置から各場所まで、ボールの勢いをころし、

スパイカーの最高到達点＝ボールの最高到達点にするのだとか。









「いや難易度高すぎじゃないですか？」

「まあそれなりにな。でも影山ならやるだろうな」

「自信ありますね」

「だって影山だぜ。俺は何も心配してない。







…ただ、1人だけ。一歩踏み出してくれればと思う奴がいる」








烏養さんが見つめる先には、









「月島…？」

「おう。だから月島と仲のいいお前に頼みに来た、亀野」

「…山口くんにお願いします」









パチリ。


だるそうにしゃがむ月島と、目があった。

その背中は、どこか。→←2日目終了の夜。

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