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第2章 水底へ沈む ページ9

Aと知り合ってから数週間が経った。


冬弥は吹奏楽部がない日を見計らって音楽室に通う。


どうやら吹奏楽部の顧問の教師の体調は回復したようだった。


「お、今日も来てくれたんだー」


「ああ」


「じゃあ今日もセッションしよ!」


「分かった。曲はどうするんだ?」


「そうだな〜、じゃあ即興で!」


そう言ってAは即興でピアノを奏でる。


「(今日はスローテンポだな。なら…)」


「♪〜〜〜〜、♪ーーーー」


冬弥はその曲に合わせてメロディを歌う。


瞬間、冬弥の視界は弾けだす。


Aが弾くピアノに合わせて歌うと、いつも冬弥はそんな弾ける様な気分になるのだ。


「…♪ーーー、♪〜〜〜〜」


Aが冬弥が歌ったメロディにハモる様に歌う。


「「♪〜〜〜〜〜」」


音が綺麗に重なった瞬間、泡が最高に弾けた。


Aは演奏を止めた。

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作者名:レノ | 作成日時:2022年5月7日 23時

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