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ころり。
「(…今日もか)」
流石に3日続けて聞こえると気になってくる。
「(今日は練習もないからな…)」
冬弥は興味本位で音楽室へ向かった。
音楽室は校舎の3階にある。冬弥は階段を登りながら考える。
「(…ピアノ、か)」
ピアノで思い出すのは苦い自分の過去。
父親にクラシックを強制され、毎日毎日ピアノとヴァイオリンの練習。
それが嫌で始めたのがストリート音楽だった。
それからと言うもの、冬弥はあまりクラシックに近づかない様にしていたが…。
「(なぜだろう、このピアノの音は嫌じゃない)」
音楽室の前に立った冬弥は、目を閉じてピアノの音に耳を傾ける。
ころり。ころころり。
しゅわしゅわと炭酸の泡がはじける。
冬弥は瞼の裏で、そんな泡の様に光が弾けるのを感じていた。
「(…夏、だな)」
ふと頭に浮かんだのが、それだった。
そしてがちゃりと、音楽室の少し重い防音扉を開けた。
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作者名:レノ | 作成日時:2022年5月7日 23時