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「すまない彰人、少し話し込んでいた」


「いや杏とこはねもオーナーと話してるからいいけど、なんでAがここにいるんだよ」


「青柳くんに誘われたの!彰人が歌ってるところ初めて見たけど、なんだろう、ちゃんと歌ってたね…。というか何で今まで誘ってくれなかったのさ!」


「なんだよそれ…。もっと他にあんだろ。絶対なんか言われるからお前のことライブに誘わなかったんだよ!」


「ひどくない!?いつでも暇してるんだから1回くらい誘ってくれたっていいじゃん!」


「江夏、彰人…」


またしても現れた少しのモヤモヤを胸に、喧嘩腰な2人を宥めようと冬弥が声をかけると、


「いいもーん!青柳くんが誘ってくれたし!これからのライブも絶対見に行くから!行ってもいいよね?」


冬弥の背中に隠れて尋ねるAに冬弥は思わず、


「勿論だ。俺も江夏に見て欲しい」


と、即答した。


「ていうか、冬弥がこの前言ってた渡したいやつってAのことかよ…」


「ああ。江夏が見に来たいと言ってくれたからな」


「へへーん!これからも青柳くんにチケット頼むもんね!」


その言葉を聞いて、冬弥はぱっと顔が明るくなる。


「(!冬弥のやつ…)」


そんな相棒の姿を見て、彰人は何かに気づいた様子でふっと笑った。


「ま、とりあえず後で反省な。そろそろ杏たちも来るだろ」


「ああ、そうだな…」

.→←第4章 清明な想い



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作者名:レノ | 作成日時:2022年5月7日 23時

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