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次の瞬間聞こえた歌に、Aは息を飲んだ。
「(え…)」
ドクン、と心臓が脈打つのを感じた。
「(凄い凄い凄い…！)」
Aはしばらく夢中でステージに見入った。
「(これが、ストリート音楽なんだ…)」
歓声も、熱気も、全てがシャットアウトされる。
聞こえるのは、ただ歌う声だった。
「(青柳くん、こんな風に歌うんだ…)」
普段とは違う力強い歌声に、Aはすっかり聞き惚れていた。
「…凄いなぁ」
ふいに冬弥がこちらに向けて指を指した。
「(え、ひょっとして…)」
ぱっと冬弥の目を見ると、真っ直ぐに目が合った。
ドクン、と心臓がまた音を立てる。
「(なに、これ…)」
心臓が飛び出そうなくらい激しく鼓動している。
「(顔、あつ…)」
Aの顔は、耳まで赤く染まっていた。
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作者名：レノ | 作成日時：2022年5月7日 23時
