検索窓
今日:21 hit、昨日:15 hit、合計:1,657 hit

. ページ14

放課後、今日は吹奏楽部の活動は無いため、いつもなら音楽室に向かうはずの冬弥だが、今は教室から動けずにいた。


昼休みの光景が頭から離れず、冬弥は悶々としていた。


「(…何故、頭から離れないんだ)」


相棒がただ友人と話していただけなのに。


最近親しくなった自分の友人が相棒と話していただけなのに。


冬弥の脳内にAのいたずらっ子の様な笑顔が浮かぶ。


「(江夏のあんな顔は初めて見た。その顔を見せた相手が俺ではなく彰人だったことが…)」


そこまで考えた冬弥の思考は、扉が開いた音により掻き消された。


「あ、いた!青柳くん!」


幸か不幸か悩みの種であるAが教室に入ってきた。


「江夏…?」


「今日、来なかったから…」


いや、毎回来るって話じゃなかったけど!と、冬弥の席に近づき、机の前でしゃがみ込んで顔を覗き込むA。


「昼休みのこと、怒ってるかなって…」


「(…怒っている?)」


悩んではいたが怒っていた訳ではないのでAにその節を説明する。


「え、てっきり私が割り込んじゃって話が出来なかった事に怒ってるのかと…」


「話はあの時既に終わっていたからな。それに話しかけたのは彰人だろう」


「た、確かに!…なんだそっか〜」


冬弥の机に力無く頭を伏せるAを見て、冬弥は不思議に思って訪ねた。


「怒っていると思ってたのか?」


「うん…。怒らせちゃったって授業中ずっと考えてた」


授業中ずっと。


その言葉に冬弥は胸があたたかくなるのを感じた。

.→←.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (4 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
5人がお気に入り
設定タグ:プロセカ , 青柳冬弥
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:レノ | 作成日時:2022年5月7日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。