転生者の目覚め 其の三 ページ4
月日が経つのは早いもので、僕は四つになった。
それ迄に
作斗は非常に優秀で博識だった。
(そして織田と同じく天然だった。)
作斗は親が居ない家の中で一人、本を読んで過ごしていたらしい。
その時間が長かった故に
兄の名を知ったのは、何時も家に居ない親がなんの気まぐれか、作斗と共にいる僕の顔を見に来た時だった。
織田と同じ《作》の字が名に入っていた事に、親近感のようなものを感じたのを今でも覚えている。
少し照れくさい気もするが、まともに喋れるようになった暁には、僕が幼い時に使っていた織田の呼称である《作兄》と呼ぼうと考えた。
それを思いついてから少し経ち、やっと言葉を話せるようになった時に《作兄》と初めて呼んでやれば、いつも無表情な作斗の周りに花が飛んだ。
(飽くまでも雰囲気がそうであったのであり、本当に花が飛んだ訳では無い。)
作斗の瞳に淋しさ以外の感情が浮かんだのを見て、悪い気はしなかった。
因みに言葉遣いは前世と同じ、古めかしいものなのだが、作斗は何の反応も示さなかった。
＿＿＿＿＿＿
四つになった為、僕は兼ねてより気になっていたことを確かめることにした。
それは僕の異能力《羅生門》のことだ。
僕の羅生門は龍之介と同じく、着ている服を変化させる殺戮特化型の異能力。
死んで別の世界へ生まれ変わったとはいえ、個性というものが存在するのだ。羅生門が僕の中にあっても可笑しくはないと考えた。
僕にとって少し大きな黒色のワンピース。それを、羅生門を操るように念じる。
貴「…出来たか。久しいな、羅生門。」
矢張り、僕の中に羅生門は在った。前世と同じように自由自在に操ることが出来る。
貴「作兄、見てくれ。僕の個性だ。」
いの一番に作斗に僕の羅生門を見せる。
羅生門を初めに見せるのは作斗と決めていた。
作「凄いな…Aの個性は。とても強そうだ。」
格好いい個性だ、黒獣は可愛らしいな、と羅生門の黒獣を撫でる作斗。
殺戮特化の羅生門を格好いい、可愛らしいと言うのは織田と作斗くらいだろうと考えた。
でも何故だか嬉しかった。
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十七夜(プロフ) - お答えします。主人公の芥川妹は文ストの世界から来たいわば転生者です。文ストでは少し難しい漢字や言い回しをするのと、転生者として他のキャラクターと違いを出そうと思ったからです。これからもよろしくお願いします。 (2019年5月11日 9時) (
レス) id: 71ca1b1b4e (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - はじめまして！この作品すごく私好みの作品です！一つ質問ですがヒーローをヒーロォと書いているのはなぜですか？ (2019年5月11日 2時) (レス) id: 1a55ee5e7b (このIDを非表示/違反報告)
十七夜(プロフ) - ありがとうございます！楽しんで頂けるように、これからも頑張って更新していきます！ (2019年5月6日 19時) (レス) id: 71ca1b1b4e (このIDを非表示/違反報告)
鶴(プロフ) - 初めて見たんですが、とっても面白いです！文ストもヒロアカも好きな、自分にとってはもうご褒美としか、言いようがないです！ありがとうございます。更新がんばってください！応援しています！ (2019年5月6日 17時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
十七夜(プロフ) - 雫さん» 応援ありがとうございます！一人称がやつがれな無自覚系男装女子が書いてみたかったのです。これからもよろしくお願いします！ (2019年5月1日 18時) (レス) id: 71ca1b1b4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：十七夜 | 作成日時：2018年11月10日 17時
