10話 「私が見えるならね」 ページ10
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呪いは二階に上がってすぐの廊下に平然と
立っていた。
私の気配に気づき、振り返る。
呪いの目玉は五つ、それに加えて四級程度の呪い。
私にとっては一番相性がいい。
五条さん、私のこと舐めすぎでしょ。
「ほら、さっさと殺しにきたら」
呪いの目玉とばっちり目を合わせる。
私の術式がどんなものなのかも知らずに、呪いは
私の目を見ながらこちらに突進してくる。
一、ニ、三____
カウントが始まる。
「私が、見えるならね」
四、五_______
カウントが止まった。
「???!」
目玉五つの雑魚呪いは辺りを見渡している。
さっきまでそこにいた獲物がいなくなったように
見えているからだ。
「言ったでしょ、見えるなら殺しに来いって」
呪いの背後に回り、鞭で足を絡ませた。
その反動で呪いは振り向き、でかい手で攻撃をする。
「遅い」
が、私から見れば遅すぎる。
でかい手を振り回す前に呪いとの間にある
壁を使って走る。
そして、呪いの頭に鞭を絡ませ、思い切り
引っ張る…‼
「グアアアアアアアアァァァ‼‼‼」
「足掻こうたって、鞭が解けても私の呪力が流れ込んでアンタの足と顔が爆発するから」
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ビルから出ると五條さんが待っていた。
「うん、Aもちゃんとイカれてたね。
お疲れサマンサ〜」
と右手を振り、ハイタッチを求められたが
そこはスルーした。
「イカれてなかったらそもそも合格なんてして
いません。あと祓ったからといって私は転入できませんから」
「はいはい分かったよ、今日は君の実力が分かったから今日の勧誘はこれくらいにしておいてあげる」
「もう今日は数時間で終わります。どうせ明日も……あれ、そういえば出張じゃなかったんですか」
「出張だったよ?隣県の」
「もっと遠いところ行けば良かったのに」
「えー?酷いなあ本当は僕と話し足りなくて
寂しかったでしょ?」
「寂しいなんて思ったこと一度もありません。
ていうか終わったんですから帰らせてください」
「ま、色々言いたいことはあるけど、
今日のところはいいか。分かったよ、じゃ、
おやすみ〜」
数十秒経つと、私はいつのまにか自分の部屋の
ベランダにいた。
そういえば、数十秒でビルに着いたけど面倒だったからどういう理屈だったか聞かなかったな…
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えむむ(プロフ) - あいりさん» あいりさんはじめまして!コメントありがとうございます!!そう言って頂けるととても嬉しいです!頑張ります! (2020年11月28日 21時) (レス) id: 2134a4f440 (このIDを非表示/違反報告)
えむむ(プロフ) - さわりにゃんこさん» さわりにゃんこさんコメントありがとうございます!!本当ですか!嬉しいです、、、そうですね!私も一年ズ、二年ズに夢主を絡ませたいです! (2020年11月28日 21時) (レス) id: 2134a4f440 (このIDを非表示/違反報告)
えむむ(プロフ) - シノンさん» シノンさんコメントありがとうございます!そう言って頂けるとモチベが上がります!更新頑張ります! (2020年11月28日 21時) (レス) id: 2134a4f440 (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - 初めまして!いつも通知がきて嬉しく読んでます!!勧誘成功してからのお話もとっても読みたいです!! (2020年11月28日 18時) (レス) id: 209cc63d47 (このIDを非表示/違反報告)
さわりにゃんこ(プロフ) - いつも通知が来るたびワクワクしながら読んでます。続編は読んでみたいですね!五条先生との絡みもですが1年ズ以外にも2年ズとかとの絡みも気になるので! (2020年11月28日 18時) (レス) id: a346737382 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えむむ | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2020年11月23日 19時