7話 "先生"からの電話 ページ7
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透見のマンション____
「ただいま」
家に入ると母親が心配そうに顔を真っ青に
しながら玄関で待っていた。
「連絡した時間より遅かったけど、何してたの?」
「ごめん、友達が勉強を丁寧に教えてくれたから遅くなったの。じゃあ部屋行くから」
帰りが遅くなった時のお決まりの言い訳を
する。
たとえ嘘だと言われようが、無視して自室に向かう。
「そう、ならいいけど…」
ほっと胸を撫で下ろす母親の横を通り、
洗面台で手を洗い、うがいをしてから自室に行った。
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部屋に入ったら取り敢えず重たい教科書、ノート、ワークが入っているバッグを取り敢えず置く。
重たい肩がやっと軽くなった。
あとは窮屈な制服を脱いで着替えるだけ。
ここからは一人の時間だ。
といっても勉強してスマホで動画を見たり、漫画を
見たり、至って普通のことをする。
♪♪♪〜
セーラーのリボンを取りハンガーにかけた途端、
バッグの中にあるスマホから着信音が聞こえた。
プリクラが挟んであるカバーのスマホを取り出して
画面を見ると"先生"と表記されていた。
担任?それとも学年主任…?
私、何もしてないと思うけど…と思いながら
電話に出た。
「はい、透見です。」
『今日も学校お疲れサマンサ〜!
で、どうだった?君と同じ学年の三人は。
気が合いそうでしょ?』
さっきハンガーにかけたリボンが
しゅるっと落ちていった。
陽気に喋る聞き慣れた声。
それが誰だか分かった時、まるでホラー映画を見て
びびっている人のように肩が震えた。
「…電話番号を教えた記憶はないんですが」
『あー、まあまあ細かいことはいいじゃん。
でも出る時分かったでしょ?かけてきたのが僕だってさ』
「私はあなたの生徒じゃないので分かりません。
この電話も履歴も連絡先も切ります、消します」
『えー!なんで?いいじゃない。偶には電話で僕と
お話ししようよ。今日は会えなかったんだから』
「切ります。」
スマホから耳を離した時、『あ、ちょっと』と
聞こえたけど通話終了ボタンを押した。
溜息を吐きながらハンガーから落ちたリボンを拾ってまたかけた。
「いつもみたいに五条さんが学校に来た方が
楽だと思ってしまった…」
だからといって学校には来ないでいただきたいけど
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えむむ(プロフ) - あいりさん» あいりさんはじめまして!コメントありがとうございます!!そう言って頂けるととても嬉しいです!頑張ります! (2020年11月28日 21時) (レス) id: 2134a4f440 (このIDを非表示/違反報告)
えむむ(プロフ) - さわりにゃんこさん» さわりにゃんこさんコメントありがとうございます!!本当ですか!嬉しいです、、、そうですね!私も一年ズ、二年ズに夢主を絡ませたいです! (2020年11月28日 21時) (レス) id: 2134a4f440 (このIDを非表示/違反報告)
えむむ(プロフ) - シノンさん» シノンさんコメントありがとうございます!そう言って頂けるとモチベが上がります!更新頑張ります! (2020年11月28日 21時) (レス) id: 2134a4f440 (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - 初めまして!いつも通知がきて嬉しく読んでます!!勧誘成功してからのお話もとっても読みたいです!! (2020年11月28日 18時) (レス) id: 209cc63d47 (このIDを非表示/違反報告)
さわりにゃんこ(プロフ) - いつも通知が来るたびワクワクしながら読んでます。続編は読んでみたいですね!五条先生との絡みもですが1年ズ以外にも2年ズとかとの絡みも気になるので! (2020年11月28日 18時) (レス) id: a346737382 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えむむ | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2020年11月23日 19時