12話 「羨ましい」 ページ12
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「へえー何も興味なさそうな顔していい店
知ってんじゃん」
「…私の知り合いが教えてくれた店だから」
「あ!この服いいじゃん!」
って服に夢中か…まあ別にいいけど。
術師でも、呪術高専に行っててもこうして普通の
高校生みたいに洋服を見て、着て、楽しんだりする時だってあるのに。
「…羨ましい」
「なにが?」
「っあ…なんでもない」
しまった声に出てた。
ていうか聞かれた。なんでここだけ聞いてんの。
「なに、この服欲しいわけ?ほら、譲ってやる」
「違う…」
「はあ〜?!じゃあなにが"羨ましい"んだよ」
「…呪術高専に通ってるのに、普通の高校生みたいに過ごしてるのが羨ましいって思った。ただそれだけ。」
「なんだそんなこと?アンタ、なんで寄り道する所あるくせにしていかないのよ」
「私の母が過保護気味…っていうか親族全員が。
今も、学校で勉強するって言って帰り遅くなるって言ってある。」
"過保護"という言い方で合っているのだろうか。
あれは、なんていう表現が、言葉が正しいのか
今は出てこない。
「ふーん、じゃ時間までとことん付き合ってもらうわよ。会計してくるから待ってて」
「う、うん…?」
あっ…そういえば昨日三人って小学生を誘拐するつもりだった男を警察に突き出してくれてたんだ。
お礼、言うの忘れてた…会計終わって帰ってきたら言わないと…
「A!次行くわよ!!時間ないんだから!!」
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「あ〜いい買い物できたわ〜!ありがとね、
A。」
あれから二時間。
とことん洋服屋に付き合わされ、釘崎さんは大量に袋を持って満足そうだった。
「…別に。あの、釘崎さん昨日は、ありがとう。お礼、言うの忘れてたっていうか言うタイミングなかったから」
「ああ、別に気にしてないけど。
だって早く帰んなきゃいけなかったんでしょ。
ていうかさん付けはやめて。野薔薇でいいわよ」
「の、野薔薇……?」
むず痒い。
基本誰にでもさん付けだし、女の子にちゃん付け…特に呼び捨てなんて初めてかもしれない。
「ねえ、今日は勧誘目的で来たんじゃなかったの?」
「そう言われたんだけど、それより私はアンタに洋服屋とか案内してもらいたかったし」
なにそれ。
「ふっ……あはは…!自分をとことん貫きすぎ…」
「すっご、笑った…!表情筋死んでそうなAが
笑ってんじゃん!!」
「私のこと一体なんだと思ってるの。」
「あ、表情筋死んだわ」
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えむむ(プロフ) - あいりさん» あいりさんはじめまして!コメントありがとうございます!!そう言って頂けるととても嬉しいです!頑張ります! (2020年11月28日 21時) (レス) id: 2134a4f440 (このIDを非表示/違反報告)
えむむ(プロフ) - さわりにゃんこさん» さわりにゃんこさんコメントありがとうございます!!本当ですか!嬉しいです、、、そうですね!私も一年ズ、二年ズに夢主を絡ませたいです! (2020年11月28日 21時) (レス) id: 2134a4f440 (このIDを非表示/違反報告)
えむむ(プロフ) - シノンさん» シノンさんコメントありがとうございます!そう言って頂けるとモチベが上がります!更新頑張ります! (2020年11月28日 21時) (レス) id: 2134a4f440 (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - 初めまして!いつも通知がきて嬉しく読んでます!!勧誘成功してからのお話もとっても読みたいです!! (2020年11月28日 18時) (レス) id: 209cc63d47 (このIDを非表示/違反報告)
さわりにゃんこ(プロフ) - いつも通知が来るたびワクワクしながら読んでます。続編は読んでみたいですね!五条先生との絡みもですが1年ズ以外にも2年ズとかとの絡みも気になるので! (2020年11月28日 18時) (レス) id: a346737382 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えむむ | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2020年11月23日 19時